ハンセン病患者の2例

我々はBL型と少菌型ハンセン病の2例を経験したので報告する. 症例1:71歳, 日本人男性. 茨城県出身, 在住で, 外国渡航歴および沖縄在住歴はなく, 家族歴にも特記すべきことなし. 30年前より前頭部, 眉毛の脱毛, 眉がつりあがるなどの変化が出現した. 10年前, 左指の発汗低下を自覚, 7年前より左手握力が低下したため初めて医療機関を受診し, 原因不明の尺骨神経麻痺と言われ手術を受けるも症状は不変であり, その後通院は行わず, 2~3年前より左手の変形や全身の紅斑, 3ヶ月前より両側頬部が発赤腫脹し, 左鼻部に小丘疹が多数出現したため再度医療機関を受診した. 近医皮膚科で病理組織検査の...

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Published in日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 72; no. 3; pp. 271 - 273
Main Authors 石井, 則久, 大塚, 藤男, 杉田, 泰之, 田中, 未知, 堀井, のり子, 市川, 栄子, 小関, 正倫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハンセン病学会 2003
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ISSN1342-3681
1884-314X
DOI10.5025/hansen.72.271

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Summary:我々はBL型と少菌型ハンセン病の2例を経験したので報告する. 症例1:71歳, 日本人男性. 茨城県出身, 在住で, 外国渡航歴および沖縄在住歴はなく, 家族歴にも特記すべきことなし. 30年前より前頭部, 眉毛の脱毛, 眉がつりあがるなどの変化が出現した. 10年前, 左指の発汗低下を自覚, 7年前より左手握力が低下したため初めて医療機関を受診し, 原因不明の尺骨神経麻痺と言われ手術を受けるも症状は不変であり, その後通院は行わず, 2~3年前より左手の変形や全身の紅斑, 3ヶ月前より両側頬部が発赤腫脹し, 左鼻部に小丘疹が多数出現したため再度医療機関を受診した. 近医皮膚科で病理組織検査の結果atypical fibroxanthomaの診断で某耳鼻科を紹介され, 同院で再度の生検の結果malignant fibrous histiocytomaと診断された. しかし全身に紅斑があるため国立水戸病院皮膚科を紹介受診され, 臨床像からハンセン病を疑われ, 病理組織検査で多数の抗酸菌が証明されたため, 当院に精査治療目的で入院となった.
ISSN:1342-3681
1884-314X
DOI:10.5025/hansen.72.271