T-1982(Cefbuperazone)の産婦人科領域における基礎的・臨床的検討
新しいCephamycin系抗生物質T-1982について基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。 1. T-1982 1gを30分間及び1時間点滴静注した場合の血清中濃度は, 各々点滴終了後約2時間においても23.0μg/ml, 25.0μg/mlを示した。又, 約5時間追跡した組織内濃度はそれぞれ1.2~45.6μg/g, 0.9~26.8μg/gであつた。この成績からみて, 本剤は産婦人科領域において多く分離される S. aureus, E. coli, Klebsiella, Proteus, s. marcescens及び嫌気性菌のB. fragilisなどの臨床分離株を80~1...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 36; no. 5; pp. 1041 - 1053 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1983
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.36.1041 |
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Summary: | 新しいCephamycin系抗生物質T-1982について基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。 1. T-1982 1gを30分間及び1時間点滴静注した場合の血清中濃度は, 各々点滴終了後約2時間においても23.0μg/ml, 25.0μg/mlを示した。又, 約5時間追跡した組織内濃度はそれぞれ1.2~45.6μg/g, 0.9~26.8μg/gであつた。この成績からみて, 本剤は産婦人科領域において多く分離される S. aureus, E. coli, Klebsiella, Proteus, s. marcescens及び嫌気性菌のB. fragilisなどの臨床分離株を80~100%発育阻止し得る濃度を, 体内においても維持するものと思われる。 2. 女性性器感染症14例 (子宮内感染2例, 子宮溜膿腫2例, 骨盤腹膜炎7例, 子宮附属器炎1例, 子宮附属器膿瘍1例, 腟断端膿瘍1例) にT-1982を1日2~4gを朝夕2回に分割し, 90分かけて点滴静注 (1例は1日1g1回の静注) した場合の臨床効果は著効9例, 有効4例, 無効1例で, 著効率は64.3%, 有効率は92.9%と良好であつた。 3. 副作用は14例全例において認められず, 臨床検査値異常も認められなかつた。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.36.1041 |