言語療法学科における情報処理教育についての一考察
高度情報化社会の到来により,情報処理教育に対する期待が非常に大きくなってきた.高等教育機関はコンピューターリテラシーを目的とした新入生対象の情報処理教育を実践し始めている.コンピューターリテラシー教育にはさまざまな授業日標・形態が存在するが,“どのように授業内容を進めるのか”が漠然としているため,色々な思考錯誤がなされている.このような状況の中で,より効果的で達成感のある授業内容を組み立てることを目的として,現在言語療法学科で行っている「情報工学」の授業目標・方法論について考察した.“情報工学”の授業目標は明確である.まず学科の方針として1年次からレポート作成やデータ処埋の課題を通して論理的思...
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| Published in | 高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 1; pp. 63 - 69 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
31.03.2000
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-5648 2433-4553 |
| DOI | 10.15028/kochireha.1.0_63 |
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| Summary: | 高度情報化社会の到来により,情報処理教育に対する期待が非常に大きくなってきた.高等教育機関はコンピューターリテラシーを目的とした新入生対象の情報処理教育を実践し始めている.コンピューターリテラシー教育にはさまざまな授業日標・形態が存在するが,“どのように授業内容を進めるのか”が漠然としているため,色々な思考錯誤がなされている.このような状況の中で,より効果的で達成感のある授業内容を組み立てることを目的として,現在言語療法学科で行っている「情報工学」の授業目標・方法論について考察した.“情報工学”の授業目標は明確である.まず学科の方針として1年次からレポート作成やデータ処埋の課題を通して論理的思考力の養成を行い,課題達成の手段としてパソコンの利用を積極的に奨励している,従って情報処理技術の習得は研究活動上の必須条件といえる.さらに言語聴覚士の専門分野においては,コンピューター(パソコン)がコミュニケーション障害者の支援装置として位置づけされているため,専門職的な見地からパソコンの働きや可能性を幅広く学習する必要性があげられる.コンピューターリテラシー教育において,このような必要性の高い明確な授業目標は学生自身の学習への動機づけに,より効果的であるのではないかと考え受講学生にアンケート調査を試みた.集計結果より次のことが明らかとなった。第1に学生は授業内で新しい情報収集・通信手段であるインターネット全般の学習を希望していること,第2に学生は情報処理技術の習得を他の授業や将来の職場における強力な武器になると考え積極的に学ぶ姿勢があること,などである.明確な授業目標や時代に即した授業内容は学生の積極的な学習の動機づけになるといえる.さらに情報処理技術を他の授業課題にフィードバックできるような授業間の連動性をもたせることが重要なポイントであると考える. |
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| ISSN: | 1345-5648 2433-4553 |
| DOI: | 10.15028/kochireha.1.0_63 |