重度・重複障害児を対象とした造形活動のアクション・リサーチ : 衝動・不随意運動型の児童生徒の造形活動におけるQOL向上を目指して

本稿の目的は,重度・重複障害児の中でも特に衝動・不随意運動型の児童生徒のQOL(Quality of Life)を高める造形活動の包括的な指導の在り方を示すことである。本稿では5種類の枠組みでアクション・プランを策定し,特別支援学校の重複学級でアクション・リサーチを実施した。ミックス法による量的データ,質的データの分析・検証の結果,実態把握で対象児の「現存機能」と「興味関心」を把握し,それを題材に組み込むことの有効性,そして過去に実践された造形活動の題材を活用することが教員の指導困難性を一部解消することを確認できた。また,新仮説として衝動・不随意運動型の児童生徒の7段階の実態の階層と,各階層に...

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Published in美術教育学:美術科教育学会誌 Vol. 36; pp. 13 - 26
Main Author 池田, 吏志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 美術科教育学会 2015
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ISSN0917-771X
2424-2497
DOI10.24455/aaej.36.0_13

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Summary:本稿の目的は,重度・重複障害児の中でも特に衝動・不随意運動型の児童生徒のQOL(Quality of Life)を高める造形活動の包括的な指導の在り方を示すことである。本稿では5種類の枠組みでアクション・プランを策定し,特別支援学校の重複学級でアクション・リサーチを実施した。ミックス法による量的データ,質的データの分析・検証の結果,実態把握で対象児の「現存機能」と「興味関心」を把握し,それを題材に組み込むことの有効性,そして過去に実践された造形活動の題材を活用することが教員の指導困難性を一部解消することを確認できた。また,新仮説として衝動・不随意運動型の児童生徒の7段階の実態の階層と,各階層に応じた主担当教員による3段階の指導・支援の在り方を提示した。
ISSN:0917-771X
2424-2497
DOI:10.24455/aaej.36.0_13