低侵襲体外循環システムにおける安全性の工夫 閉鎖型回路の検討

【要旨】手術方法の低侵襲化増加に伴い,低侵襲を目的とした閉鎖型体外循環システムが開発されているが,閉鎖型であるため大量出血や気泡混入時の体外循環維持が困難であるなどの問題点がある。そこで,追加回路を用いることで,大量出血時においても対応可能であり,送血側にバブルトラップを設置することで気泡塞栓対策を行った体外循環回路を試作し,緊急時におけるシステム変更時間,気泡除去能を検討した。閉鎖型体外循環システムから大量出血時対応回路へのセッティング時間は平均37.8秒とスムーズに移行でき,脱血カニューレ挿入部からの気泡混入を想定した気泡注入においては,人工肺出口部で40μm以上の気泡は検知されず,送血側...

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Published in体外循環技術 Vol. 32; no. 2; pp. 235 - 237
Main Authors 本田, 浩一, 谷, 誠二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 01.06.2005
日本体外循環技術研究会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.32.235

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Summary:【要旨】手術方法の低侵襲化増加に伴い,低侵襲を目的とした閉鎖型体外循環システムが開発されているが,閉鎖型であるため大量出血や気泡混入時の体外循環維持が困難であるなどの問題点がある。そこで,追加回路を用いることで,大量出血時においても対応可能であり,送血側にバブルトラップを設置することで気泡塞栓対策を行った体外循環回路を試作し,緊急時におけるシステム変更時間,気泡除去能を検討した。閉鎖型体外循環システムから大量出血時対応回路へのセッティング時間は平均37.8秒とスムーズに移行でき,脱血カニューレ挿入部からの気泡混入を想定した気泡注入においては,人工肺出口部で40μm以上の気泡は検知されず,送血側のバブルトラップの必要性は低いと考えられた。作製した追加回路は,比較的単純で簡単に作製できる回路であり,ハードシェルリザーバーを組み込むことで,出血時のサクション回収,輸血,輸液などのボリューム管理も可能であることから,緊急時のシステムとして有効であると考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.32.235