カビ臭の生成に関与する麹菌のメチル基転移酵素遺伝子の探索
1. Aspergillus oryzae RIB40ゲノムデータベースより,SAM依存性メチルトランスフェラーゼあるいはO-メチルトランスフェラーゼをコードしていると推定されている76遺伝子を抽出した。このうち,37遺伝子について破壊株の作成を試みた結果,34遺伝子の破壊株が得られた。 2. 遺伝子破壊株を用いてTCP を添加して製麹を行った結果,AO080521000231の遺伝子破壊株を用いた麹においてTCAの生成量が特に少なく,対照株の12%であった。 3. AO080521000231の遺伝子破壊株を用いてつくった麹のα-アミラーゼ活性,グルコアミラーゼ活性,酸性カルボキシペプチダー...
Saved in:
Published in | 日本醸造協会誌 Vol. 106; no. 8; pp. 556 - 561 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
公益財団法人 日本醸造協会
2011
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-7314 2186-4012 |
DOI | 10.6013/jbrewsocjapan.106.556 |
Cover
Summary: | 1. Aspergillus oryzae RIB40ゲノムデータベースより,SAM依存性メチルトランスフェラーゼあるいはO-メチルトランスフェラーゼをコードしていると推定されている76遺伝子を抽出した。このうち,37遺伝子について破壊株の作成を試みた結果,34遺伝子の破壊株が得られた。 2. 遺伝子破壊株を用いてTCP を添加して製麹を行った結果,AO080521000231の遺伝子破壊株を用いた麹においてTCAの生成量が特に少なく,対照株の12%であった。 3. AO080521000231の遺伝子破壊株を用いてつくった麹のα-アミラーゼ活性,グルコアミラーゼ活性,酸性カルボキシペプチダーゼ活性,酸性プロテアーゼ活性,及び菌体量は対照株やRIB40株の場合と同様であった。 以上より,AO080521000231が製麹中にTCPのTCAへの変換に関与する主要なO-メチルトランスフェラーゼをコードしている可能性が示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 0914-7314 2186-4012 |
DOI: | 10.6013/jbrewsocjapan.106.556 |