高齢糖尿病患者における社会参加の種類・数と高次生活機能との関連性
目的:高齢糖尿病患者における社会参加の種類,頻度,及び数と高次生活機能との関連性を検証すること.方法:対象は伊勢赤十字病院外来通院中の60歳以上の糖尿病患者とした.高次生活機能の評価には,自己記入式質問紙によるTokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence(TMIG-IC)を用いた.6種類の社会参加活動の頻度,及び数について調査した.従属変数をTMIG-IC得点,説明変数を社会参加,及び調整変数とした重回帰分析を用いて,社会参加の高次生活機能に関する標準化回帰係数(β)を算出した.結果:447例が本研究の解析対象と...
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Published in | Nippon Ronen Igakkai Zasshi. Japanese Journal of Geriatrics Vol. 62; no. 1; pp. 50 - 58 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.01.2025
The Japan Geriatrics Society |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.62.50 |
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Summary: | 目的:高齢糖尿病患者における社会参加の種類,頻度,及び数と高次生活機能との関連性を検証すること.方法:対象は伊勢赤十字病院外来通院中の60歳以上の糖尿病患者とした.高次生活機能の評価には,自己記入式質問紙によるTokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence(TMIG-IC)を用いた.6種類の社会参加活動の頻度,及び数について調査した.従属変数をTMIG-IC得点,説明変数を社会参加,及び調整変数とした重回帰分析を用いて,社会参加の高次生活機能に関する標準化回帰係数(β)を算出した.結果:447例が本研究の解析対象となった.男性におけるボランティア活動,スポーツ・運動サークル,及び趣味活動は,年に数回参加,月に一回以上参加,及び週に一回以上参加のいずれも高次生活機能に有意に関連していた.男性における学習サークル(年に数回参加,β=0.184;p=0.003),特技や経験を伝える活動(週に一回以上参加,β=0.178;p=0.004),仕事(月に一回以上参加,β=0.144;p=0.022)も高次生活機能と有意な関連性が認められた.女性に関しては,ボランティア活動(週に一回以上参加,β=0.164;p=0.017),スポーツ・運動サークル(週に一回以上参加,β=0.149;p=0.032),趣味活動(週に一回以上参加,β=0.147;p=0.036)のみ高次生活機能と有意な関連性が認められた.社会参加数は高次生活機能と有意な関連性がみられた.結論:高齢糖尿病患者において,高次生活機能に関連する社会参加の種類・数が明らかとなった. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.62.50 |