Pemirolast potassiumおよびhydrocortisoneのヒト好酸球遊走に対する抑制効果

現在, 気管支喘息の発症機序は従来より考えられていたCoombs and GellのI型アレルギー反応のみならず, それに続発する一連のアレルギー性炎症がその本質であると理解されている. このアレルギー性炎症反応においては, 肥満細胞, マクロファージ, リンパ球, 好中球, 好酸球, 好塩基球, 血小板などの種々の細胞が関与していることが知られているが, そのなかでも好酸球が炎症局所においてもっとも重要な細胞であると考えられている1, 2). 好酸球はその特異顆粒に含まれる MBP(majorbasic protein), ECP(eosinophil cationic protein),...

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Published in炎症 Vol. 12; no. 5; pp. 467 - 473
Main Author 松井, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 1992
日本炎症学会
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.12.467

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Summary:現在, 気管支喘息の発症機序は従来より考えられていたCoombs and GellのI型アレルギー反応のみならず, それに続発する一連のアレルギー性炎症がその本質であると理解されている. このアレルギー性炎症反応においては, 肥満細胞, マクロファージ, リンパ球, 好中球, 好酸球, 好塩基球, 血小板などの種々の細胞が関与していることが知られているが, そのなかでも好酸球が炎症局所においてもっとも重要な細胞であると考えられている1, 2). 好酸球はその特異顆粒に含まれる MBP(majorbasic protein), ECP(eosinophil cationic protein), EPO(eosinophil peroxidase), EDN(eosinophilderived neurotoxin)などを放出することにより気道上皮の傷害を起こし, これが気道過敏性の亢進の一因となっていることが示唆されている1, 2). このように好酸球が局所に選択的に動員, 集積されるためには, まず好酸球の血管内皮細胞への接着, つづいて内皮細胞間隙からの遊走という少なくとも二つの過程が必要である3).
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.12.467