脳分離体外循環と体温管理 選択的順行性脳灌流の経験
要旨 弓部大動脈人工血管置換術に対して、選択的順行性脳灌流法と体循環停止を併用し脳分離体外循環を行ってきた。弓部3分枝送血において、1987年より1基ポンプで直視下に3分枝送血行い、1992年より前胸部鎖骨下より右鎖骨下動脈に送血部位を変更し、左側2分枝は従来どおりの送血を行った。当施設では術後問題となる脳合併症や脊髄麻痺の要因は低灌流と塞栓であると考え、1997年より左右別々のポンプを使用し、前胸部鎖骨下より両鎖骨下動脈を露出し送血を行い、左総頸動脈には直視下で送血を行っている。選択的順行性脳灌流法と体循環停止を併用することで長時間手術に対応でき、術後の脳合併症や脊髄麻痺の発生を抑え良好な成...
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| Published in | 体外循環技術 Vol. 35; no. 2; pp. 146 - 149 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
01.06.2008
日本体外循環技術医学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
| DOI | 10.7130/hokkaidoshakai.35.146 |
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| Summary: | 要旨 弓部大動脈人工血管置換術に対して、選択的順行性脳灌流法と体循環停止を併用し脳分離体外循環を行ってきた。弓部3分枝送血において、1987年より1基ポンプで直視下に3分枝送血行い、1992年より前胸部鎖骨下より右鎖骨下動脈に送血部位を変更し、左側2分枝は従来どおりの送血を行った。当施設では術後問題となる脳合併症や脊髄麻痺の要因は低灌流と塞栓であると考え、1997年より左右別々のポンプを使用し、前胸部鎖骨下より両鎖骨下動脈を露出し送血を行い、左総頸動脈には直視下で送血を行っている。選択的順行性脳灌流法と体循環停止を併用することで長時間手術に対応でき、術後の脳合併症や脊髄麻痺の発生を抑え良好な成績を収めている。体外循環における操作や回路は多少煩雑ではあるが、安全な脳分離体外循環法だと考えられる。 |
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| ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
| DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.35.146 |