佐賀大学医学部附属病院におけるHaemophilus influenzaeの検出状況と各種抗菌薬に対する感受性について

佐賀大学医学部附属病院において2002年10月から2003年9月までの1年間におけるHaemophilus influenzaeの検出状況および各種抗菌薬に対する感受性結果を解析した。 H.influenzae155株のうち, 約半数の株が小児科由来株 (77株) であった。 β-Lactamase非産生でampiciilin (ABPC) のMIC値が4μg/mL以上を示すβ-lactamase negative ABPC-resistant H.influenzae (BLNAR) は32株 (20.6%) に認められ, MIC値が2μg/mLのLow-BLNARも含めると64株 (41....

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 57; no. 2; pp. 187 - 195
Main Authors 青木, 洋介, 永山, 在明, 草場, 耕二, 高柳, 恵, 福富, 由美子, 永沢, 善三, 大隈, 雅紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.04.2004
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.57.187

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Summary:佐賀大学医学部附属病院において2002年10月から2003年9月までの1年間におけるHaemophilus influenzaeの検出状況および各種抗菌薬に対する感受性結果を解析した。 H.influenzae155株のうち, 約半数の株が小児科由来株 (77株) であった。 β-Lactamase非産生でampiciilin (ABPC) のMIC値が4μg/mL以上を示すβ-lactamase negative ABPC-resistant H.influenzae (BLNAR) は32株 (20.6%) に認められ, MIC値が2μg/mLのLow-BLNARも含めると64株 (41.3%) を占めた。一方, β-lactamase positive ABPCresistant H.influenzae (BLPAR) は8株 (5.2%) と少なかった。測定したβ-ラクタム系薬の多くがABPCへの耐性度に伴い, より高いMIC値を示す株が検出されたが, piperacillin (PIPC), tazobaetam/piperacillin (TAZ/PIPC), ceftriaxone (CTRX) cefditoren (CDTR), meropenem (MEPM) はBLNAR株にも強い抗菌力を示した。フルオロキノロン系薬やその他系統の抗菌薬では, 耐性タイプ別の抗菌力に大きな差は認められなかった。 また, BLPAR株において, β-lactamase阻害剤の合剤であるsulbactam/ampicillin (SBT/ABPC) に耐性を示す株が認められたが, TAZ/PIPCには全て感受性を示した。これらの株は近年増加傾向にあるβ-lactamase positive amoxicillin-clavulanate resistant H.influenzae (BLPACR) である可能性が考えられた。 今回測定した抗菌薬の中では, PIPC, TAZ/PIPC, CTRX, CDTR, MEPM, levofloxacin (LVFX), ciprofloxacin (CPFX) が良好な感受性を示した。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.57.187