浅在性化膿巣由来新鮮臨床分離株に対するCiprofloxacinの抗菌活性

ニューキノロン系合成抗菌剤は, 幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を有することから, 日常診療における各種感染症に汎用されている1.2)。1990年9月現在我が国で使用されているニューキノロン系薬剤は6薬剤であるが, 更に4薬剤の臨床的検討が進行中である。 私達は1988年に検出した臨床分離株のニューキノロン系薬剤に対する感受性を検討し, ニューキノロン耐性菌が増加していることを指摘したが, 耐性菌の割合は供試株の由来によって差があり, 更にニューキノロン系に分類される薬剤間にも耐性率の割合に差があつた3)。 今回は広義の浅在性化膿巣由来株を対象にして, Ciprofloxacin (CPFX)...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 44; no. 2; pp. 117 - 129
Main Authors 石原, 理加, 鈴木, 由美子, 深山, 成美, 田中, 節子, 佐藤, 久美子, 出口, 浩一, 古口, 昌美, 中根, 豊, 小田, 清次, 横田, のぞみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1991
Online AccessGet full text
ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.44.117

Cover

More Information
Summary:ニューキノロン系合成抗菌剤は, 幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を有することから, 日常診療における各種感染症に汎用されている1.2)。1990年9月現在我が国で使用されているニューキノロン系薬剤は6薬剤であるが, 更に4薬剤の臨床的検討が進行中である。 私達は1988年に検出した臨床分離株のニューキノロン系薬剤に対する感受性を検討し, ニューキノロン耐性菌が増加していることを指摘したが, 耐性菌の割合は供試株の由来によって差があり, 更にニューキノロン系に分類される薬剤間にも耐性率の割合に差があつた3)。 今回は広義の浅在性化膿巣由来株を対象にして, Ciprofloxacin (CPFX), Norfloxacin, Ofioxacinなどの最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 浅在性化膿巣由来株に対するニューキノロン系薬剤の抗菌活性 (MIC) 分布を検討した。そしてこれらの成績から, CPFXの浅在性化膿疾患に対する有用性を臨床細菌学的に考察した。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.44.117