呼気抵抗負荷姿勢が側腹筋筋厚に及ぼす影響

【目的】呼気筋トレーニングに関して研究は少なくその効果および適切な条件については不明な点が多い。呼気筋は姿勢保持筋としての働きを持ち、呼気における働きを検証するには姿勢を考慮するべきと考える。そこで今回姿勢変化に伴う呼気筋(側腹筋)の活動を超音波画像診断装置で検証し、呼気筋トレーニング姿勢考案の基礎研究とすることを目的とした。【方法】対象は健常成人男性9名、平均年齢30.11±5.90歳、平均身長172.44±5.41cm、平均体重63.88±5.84kg。被験者には本実験を行う前に本研究の目的、方法、内容を説明し研究参加の同意を得た。背臥位にてPEmax測定後、THRESHOLDで20%PE...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 28; p. 103
Main Authors 秋山, 純和, 新井, 美紗, 小山内, 正博, 田村, 麻美子, 渡辺, 裕介, 沼田, 友一, 舘川, 康任, 清水, 弥生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2009
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.28.0.103.0

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Summary:【目的】呼気筋トレーニングに関して研究は少なくその効果および適切な条件については不明な点が多い。呼気筋は姿勢保持筋としての働きを持ち、呼気における働きを検証するには姿勢を考慮するべきと考える。そこで今回姿勢変化に伴う呼気筋(側腹筋)の活動を超音波画像診断装置で検証し、呼気筋トレーニング姿勢考案の基礎研究とすることを目的とした。【方法】対象は健常成人男性9名、平均年齢30.11±5.90歳、平均身長172.44±5.41cm、平均体重63.88±5.84kg。被験者には本実験を行う前に本研究の目的、方法、内容を説明し研究参加の同意を得た。背臥位にてPEmax測定後、THRESHOLDで20%PEmaxの呼気抵抗負荷を測定課題とした。測定肢位は高さ50cm幅3cmの椅子状フレーム上で坐骨支持での坐位とした。設定姿勢は体幹を前傾位、中間位、後傾位で、それぞれ円背位と伸張位とした。背臥位で測定後、上記の6姿勢でランダムに行った。PEmax測定はスパイロメーター(ミナト医科学社製Autospiro RS507)を使用。筋厚測定は超音波画像診断装置(東芝社製memio17)で4.2MGHz、右前腋窩線上臍高位で外腹斜筋(EO)、内腹斜筋(IO)、腹横筋(TA)を測定した。設定姿勢の確認は体表にマーカーを貼付し上半身重心、骨盤傾斜角度、脊椎角度を求めた。計測タイミングを安静吸気終末と最大呼出終末とした。統計は各姿勢の20%PEmax最大呼気終末筋厚―安静吸気終末筋厚を筋厚差とし、各姿勢、各筋の筋厚差をFriedman検定しWilcoxonの符号付順位測定にて多重比較、Bonferroniの不等式による修正を行った。【結果】TAの筋厚差は背臥位2.04±1.67mm前傾位円背2.06±1.32mm前傾位伸張9.94±2.96mm中間位円背1.22±1.74mm中間位伸張3.28±1.99mm後傾位円背2.75±2.28mm後傾位伸張2.93±2.11mmであった。多重比較の結果、背臥位(2.04±1.67mm)に対し前傾位伸張(9.94±2.96mm)で(p<0.008/6)有意差を認めた。【考察】TAの筋厚差は背臥位に対し前傾位伸張で有意な増加を認めた。他の姿勢では有意差を認めず特に中間位円背では背臥位より低値であった。これは同一負荷であっても筋活動に違いが生じ、COPD患者等では、より効率を上げるために円背を呈していると考えられる。今後呼吸筋トレーニング姿勢として円背か伸張かトレーニング効果を含め検討して行きたいと考える。
Bibliography:103
ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.28.0.103.0