外来心大血管リハビリテーションの開設の経験と紹介
【はじめに】当院は、三浦半島(人口約50万人)の基幹病院として地域に密着して急性期医療から回復期リハビリテーション医療までを行なっている。今回、心大血管リハビリテーション(以下心リハ)を開設するという貴重な経験をした。開設までの経過と外来の心リハについて得られた知見を報告する。 【施設紹介】2006年度、当院の総病床数は736床で、CCU18床、一般の循環器内科50床であった。循環器内科において、冠動脈造影830例、経皮的冠動脈インターベンション305例が施行された。リハビリテーション科(以下リハ科)は心リハ以外の施設基準1を満たしており、循環器疾患の患者においては、廃用症状に対して理学療法を...
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          | Published in | 関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 28; p. 109 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
    
        2009
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0916-9946 2187-123X  | 
| DOI | 10.14901/ptkanbloc.28.0.109.0 | 
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| Summary: | 【はじめに】当院は、三浦半島(人口約50万人)の基幹病院として地域に密着して急性期医療から回復期リハビリテーション医療までを行なっている。今回、心大血管リハビリテーション(以下心リハ)を開設するという貴重な経験をした。開設までの経過と外来の心リハについて得られた知見を報告する。 【施設紹介】2006年度、当院の総病床数は736床で、CCU18床、一般の循環器内科50床であった。循環器内科において、冠動脈造影830例、経皮的冠動脈インターベンション305例が施行された。リハビリテーション科(以下リハ科)は心リハ以外の施設基準1を満たしており、循環器疾患の患者においては、廃用症状に対して理学療法を施行し診療報酬の請求を行っている。 【開設までの経過】入院期間の短期化に伴い、入院中は疾患の治療が優先され退院後の生活に対する教育が不十分なまま退院する患者が増えた印象があった。その間、心リハの効果が院内でも認識され需要が高まっていた。そこで2008年1月よりリハ科で心リハ開設に向けての業務検討を行い、外来心リハを実施することとし採算性の試算を行なった。2月に病院から心リハ業務を開始することの承認を得、院内の敷地の確保と利用計画の策定、関連部署との話し合い、院内の工事および物品の搬送、社会保険事務所に心リハ室の施設認可の申請を行なった。6月から心リハ室の運用マニュアルと業務マニュアルの作成、電子カルテに心リハ用の新システムを作成した。10月に心肺運動負荷試験(以下CPX)より運用を開始し、11月から外来運動療法を実施した。 【外来心リハの概要】現在、2日/週で実施。人員配置は理学療法士2名、臨床検査技師1名、心リハ担当医1名、CPX担当医1名である。実施概要としては、5ヶ月は外来心リハを継続し、その間、3ヶ月と5ヶ月にCPXを施行する。外来心リハを開始するには、まず循環器内科医師よりCPXの依頼が出され、検査科がCPXを施行する。その結果に基づき医師が運動療法の可否や運動療法の強度、中止基準等を決定し、リハ科が依頼を受け運動療法を開始する。 【心リハ開設後の実施状況】外来心リハを開始してみると、多くの患者さんが自分の病状に合わせた適正な運動強度や生活の中での運動レベルについて理解できていなかった。そのため、運動療法と合わせて、病態と運動負荷の関係性、現在の運動耐容能についての説明、運動強度と生活レベルの指導、行動変容へのアプローチを行なっている。 【まとめ】当院における外来心リハでは、心機能の改善を目指すだけでなく、行動変容を含めたアプローチを実施していくことが必要と考えられた。 | 
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| Bibliography: | 109 | 
| ISSN: | 0916-9946 2187-123X  | 
| DOI: | 10.14901/ptkanbloc.28.0.109.0 |