慢性関節リウマチに対するブシラミンの長期投与成績5年投与成績および投与初期における効果の予測

ブシラミン(以下, Bc)は1980年に初期第II相臨床試験が開始され87年より販売されている, 比較的新しい抗リウマチ剤である. したがって2年以下の投与成績の報告1~4)は散見されるものの, 5年以上の長期投与成績についてはきわめて報告が少ない. 一方, 実際の診療では, Bcを含めた抗リウマチ剤は効果発現に数ヵ月を要する5)ので, 薬剤の有効性の判定が遅れることがしばしばみられる. また有効な症例でも, 投与していると効果が一時的に減弱したりそのまま無効になったりすることがある6)ので, 効果が減弱した場合, それが一時的なものか判断がむずかしいことがしばしばである. Bcが有効か, 無...

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Published in炎症 Vol. 13; no. 3; pp. 293 - 299
Main Authors 西村, 慶太, 市山, 広樹, 森, 俊仁, 内田, 詔爾, 渡辺, 房雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 1993
日本炎症学会
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.13.293

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Summary:ブシラミン(以下, Bc)は1980年に初期第II相臨床試験が開始され87年より販売されている, 比較的新しい抗リウマチ剤である. したがって2年以下の投与成績の報告1~4)は散見されるものの, 5年以上の長期投与成績についてはきわめて報告が少ない. 一方, 実際の診療では, Bcを含めた抗リウマチ剤は効果発現に数ヵ月を要する5)ので, 薬剤の有効性の判定が遅れることがしばしばみられる. また有効な症例でも, 投与していると効果が一時的に減弱したりそのまま無効になったりすることがある6)ので, 効果が減弱した場合, それが一時的なものか判断がむずかしいことがしばしばである. Bcが有効か, 無効か, 有効であるならその効果が長期間維持できるか, これらのことが投与後早い時期にわかれば, その後の薬物療法の計画が立てやすくなるであろう. 以上の点を踏まえ今回, 慢性関節リウマチ(以下, RA)患者に対してまず5年間のBc長期投与の成績を検討した. つぎに5年間の継続投与ができず途中で投与を中止した効果減弱例および無効例とランスバリー指数の動きを比較した. そして投与初期にBcの有効性と5年間の効果の持続を予測しうるか, 検討を行った.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.13.293