フォルボールミリステート酢酸誘導性活性酸素腎障害からみた糸球体腎炎の進展機序とpara-amino benzoate Na mannosideの効果

糸球体腎炎は, 病理学的には係蹄壁あるいはメサンギウム領域における免疫複合体の沈着, 単核球や白血球などの浸潤, さらには, メサンギウム細胞の増殖などで特徴づけられ, 臨床的には, 蛋白尿, 血尿をはじめとして腎機能障害, 免疫学的検査成績の異常などによって, その存在が推察される. このような免疫学的な機序と, それに派生した血小板凝集亢進が主たる成因である糸球体腎炎に対する治療薬として, 副腎皮質ステロイド剤, 免疫抑制剤, 抗血小板薬などが使用されるが, 満足すべき効果が得られてないのが現状である. 一方, 本症の発症ならびに進展の過程において放出される活性酸素は, みずからの炎症性反...

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Published in炎症 Vol. 10; no. 4; pp. 279 - 285
Main Authors 佐中, 孜, 佐藤, 孝子, 小俣, 正子, 登川, 正紀, 生沢, 政則, 杉野, 信博, 石田, 裕香子, 西川, 恵, 樋口, 千恵子, 中島, 信治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 1990
日本炎症学会
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.10.279

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Summary:糸球体腎炎は, 病理学的には係蹄壁あるいはメサンギウム領域における免疫複合体の沈着, 単核球や白血球などの浸潤, さらには, メサンギウム細胞の増殖などで特徴づけられ, 臨床的には, 蛋白尿, 血尿をはじめとして腎機能障害, 免疫学的検査成績の異常などによって, その存在が推察される. このような免疫学的な機序と, それに派生した血小板凝集亢進が主たる成因である糸球体腎炎に対する治療薬として, 副腎皮質ステロイド剤, 免疫抑制剤, 抗血小板薬などが使用されるが, 満足すべき効果が得られてないのが現状である. 一方, 本症の発症ならびに進展の過程において放出される活性酸素は, みずからの炎症性反応に拍車を駆けるとともに, 蛋白尿生成, 糸球体硬化などに深く関与しているものと想像される1). しかも, 糸球体腎炎に伴う尿細管障害にも係わっている可能性も否定できない.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.10.279