フローサイトメトリーによる慢性関節リウマチ患者の骨髄細胞の解析

慢性関節リウマチ(RA)は, 関節破壊を特徴とする炎症性の慢性疾患である. その背景にはさまざまな免疫異常1, 2)があることが知られており, 多角的な研究がなされているが, その原因はいまだ不明である. われわれは, 造血, 免疫に重要な役割を果たす臓器である骨髄に着目してRAの病因解明を目指して検討を進めており, RA患者罹患部脛骨骨髄中には健常人にはみられない骨髄球系細胞の集積が観察されることを報告している3, 4). 近年, 種々のモノクローナル抗体の開発とフローサイトメトリーの普及により骨髄中のリンパ球サブセットの解析も行われている5, 6). しかし, これらは主として健常人骨髄に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in炎症 Vol. 13; no. 3; pp. 269 - 275
Main Authors 井川, 宣, 田辺, 誠, 柏木, 伸仁, 村田, 紀和, 冨田, 哲也, 越智, 隆弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 1993
日本炎症学会
Online AccessGet full text
ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.13.269

Cover

More Information
Summary:慢性関節リウマチ(RA)は, 関節破壊を特徴とする炎症性の慢性疾患である. その背景にはさまざまな免疫異常1, 2)があることが知られており, 多角的な研究がなされているが, その原因はいまだ不明である. われわれは, 造血, 免疫に重要な役割を果たす臓器である骨髄に着目してRAの病因解明を目指して検討を進めており, RA患者罹患部脛骨骨髄中には健常人にはみられない骨髄球系細胞の集積が観察されることを報告している3, 4). 近年, 種々のモノクローナル抗体の開発とフローサイトメトリーの普及により骨髄中のリンパ球サブセットの解析も行われている5, 6). しかし, これらは主として健常人骨髄についての結果であり, 免疫疾患との係わりについての検索は少ない. 本研究ではRA患者の罹患部骨髄のみならず, 全身の造血を担う腸骨骨髄および末梢血中のリンパ球ならびに, 骨髄球系細胞についてフローサイトメトリーにより解析し, RAの病態との関連について検討した.
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.13.269