潰瘍性大腸炎に対する腹腔鏡下手術の短期成績と栄養指数・大腰筋断面積との関連
【背景】本研究は,潰瘍性大腸炎(UC)に対して腹腔鏡下大腸全摘術もしくは大腸亜全摘術を施行した症例の短期成績と,栄養指数·大腰筋断面積との関連を後方視的に検討した.【方法】2012年1月から2023年3月までにUCに対して腹腔鏡手術を受けた30例のうち,潰瘍性大腸炎関連腫瘍8例を除いた22例を本研究の対象とした.栄養状態の評価には小野寺のPNI,サルコペニアの評価には大腰筋断面積を用いて,低栄養およびサルコペニアが手術成績に及ぼす影響を解析した.【結果】低栄養群とサルコペニア群では,術後合併症が多く,入院期間が長くなる傾向がみられた.しかし,手術時間や術中出血量には両群間に有意差は認められなか...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 78; no. 5; pp. 226 - 232 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本大腸肛門病学会
2025
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.78.226 |
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Summary: | 【背景】本研究は,潰瘍性大腸炎(UC)に対して腹腔鏡下大腸全摘術もしくは大腸亜全摘術を施行した症例の短期成績と,栄養指数·大腰筋断面積との関連を後方視的に検討した.【方法】2012年1月から2023年3月までにUCに対して腹腔鏡手術を受けた30例のうち,潰瘍性大腸炎関連腫瘍8例を除いた22例を本研究の対象とした.栄養状態の評価には小野寺のPNI,サルコペニアの評価には大腰筋断面積を用いて,低栄養およびサルコペニアが手術成績に及ぼす影響を解析した.【結果】低栄養群とサルコペニア群では,術後合併症が多く,入院期間が長くなる傾向がみられた.しかし,手術時間や術中出血量には両群間に有意差は認められなかった.【結論】低栄養やサルコペニアのUC患者への腹腔鏡下手術は許容されるが,周術期の管理には十分な注意が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.78.226 |