配偶者としての高齢者介護ストレス : 性差への着目
本研究では要介護高齢者の主介護者である配偶者のストレスの性差に焦点をあて,ストレッサー・資源・介護ストレスの分布,およびストレスに対するストレッサーと資源の効果の性差を検証した.対象者は,要介護高齢者の主介護者で配偶者の男性68人と女性134人である.ストレッサーは要介護者のADLおよび認知障害数,介護頻度,介護期間を用い,資源は暮らし向きと,副介護者・訪問介護利用・適所サービス利用・ショートステイ利用おのおのの有無を用いた.介護ストレスは,情緒的消耗,愁訴,社会的制約を用いた.すべてのストレッサーで性差がみられなかった一方,資源では男性で副介護者ありと訪問介護利用ありの割合が有意に高かった....
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Published in | 社会福祉学 Vol. 46; no. 3; pp. 16 - 27 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本社会福祉学会
31.03.2006
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Subjects | |
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ISSN | 0911-0232 2424-2608 |
DOI | 10.24469/jssw.46.3_16 |
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Summary: | 本研究では要介護高齢者の主介護者である配偶者のストレスの性差に焦点をあて,ストレッサー・資源・介護ストレスの分布,およびストレスに対するストレッサーと資源の効果の性差を検証した.対象者は,要介護高齢者の主介護者で配偶者の男性68人と女性134人である.ストレッサーは要介護者のADLおよび認知障害数,介護頻度,介護期間を用い,資源は暮らし向きと,副介護者・訪問介護利用・適所サービス利用・ショートステイ利用おのおのの有無を用いた.介護ストレスは,情緒的消耗,愁訴,社会的制約を用いた.すべてのストレッサーで性差がみられなかった一方,資源では男性で副介護者ありと訪問介護利用ありの割合が有意に高かった.また男性は情緒的消耗と愁訴で女性より有意に良好であった.ストレスに対するストレッサーと資源の効果を分析した結果,女性のみで暮らし向きと愁訴・社会的制約に,男性のみで認知障害数と愁訴に有意な関係が示された. |
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ISSN: | 0911-0232 2424-2608 |
DOI: | 10.24469/jssw.46.3_16 |