ダイオキシン類分析用排水認証標準物質の開発

日本分析化学会はダイオキシン類分析用排水標準物質作製委員会を組織し,ポリクロロジベンゾパラジオキシン(PCDD)6異性体,ポリクロロジベンソフラン(PCDF)10異性体,PCDD及びPCDFの四∼八塩素置換同族体,並びにダイオキシン様ポリクロロビフェニル(DL-PCB)6種の含有率を認証した排水認証標準物質を開発した.施設排水は浮遊物質を含む不均一系であり,ダイオキシン類はそのほとんどが懸濁粒子に吸着しているため,均一な組成を前提とする標準物質の作製には不適としてこれまでダイオキシン類分析用の排水標準物質の前例はない.そこで,1個の容器内標準物質は全内容を1回で使い切ることを前提とし,排水の容...

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Published in分析化学 Vol. 56; no. 1; pp. 17 - 28
Main Authors 高田, 芳矩, 松本, 保輔, 鎗田, 孝, 村山, 真理子, 高菅, 卓三, 浅田, 正三, 鶴田, 暁, 小野, 昭紘, 井垣, 浩侑, 飯田, 芳男, 太田, 秀和, 坂田, 衞, 石橋, 耀一, 松村, 徹, 柿田, 和俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2007
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.56.17

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Summary:日本分析化学会はダイオキシン類分析用排水標準物質作製委員会を組織し,ポリクロロジベンゾパラジオキシン(PCDD)6異性体,ポリクロロジベンソフラン(PCDF)10異性体,PCDD及びPCDFの四∼八塩素置換同族体,並びにダイオキシン様ポリクロロビフェニル(DL-PCB)6種の含有率を認証した排水認証標準物質を開発した.施設排水は浮遊物質を含む不均一系であり,ダイオキシン類はそのほとんどが懸濁粒子に吸着しているため,均一な組成を前提とする標準物質の作製には不適としてこれまでダイオキシン類分析用の排水標準物質の前例はない.そこで,1個の容器内標準物質は全内容を1回で使い切ることを前提とし,排水の容器へのサンプリング方法を検討することにより世界初の排水認証標準物質を開発することに成功した.ダイオキシン類29異性体の認証値は26試験機関の参加による共同実験の結果から異常値を除外した後統計的に処理してその不確かさとともに求めた.なお,この認証標準物質のダイオキシン類の合計濃度は毒性当量にして13.8±0.6 pg L−1である.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.56.17