Le Fort I型骨切り術に伴う鼻部の変化 上下顎移動術を施行した女性骨格性下顎前突症例について
「緒言」顎矯正手術に伴う軟組織の変化として口唇部やオトガイ部などが変化することは過去にも報告されているが1-3), 上顎骨の移動に伴う鼻部への影響について検討したものは少ない4-7). 鼻部は顔の中でも中心に位置し, 高く突出した部位であるため鼻の形態が変化することにより, 顔全体のバランスに大きな影響を及ぼすと考えられる. 本研究の目的は, 顎矯正手術による上顎骨の移動に伴う鼻部の形態変化について検討することである. 対象として, 上下顎移動術を施行した骨格性下顎前突症患者30名について, 上顎骨の移動方向に従って3群に分類し, 術前後における鼻部の形態変化について比較検討した. 「資料およ...
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| Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 12; no. 3; pp. 85 - 93 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
15.12.2002
日本顎変形症学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
| DOI | 10.5927/jjjd1991.12.85 |
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| Summary: | 「緒言」顎矯正手術に伴う軟組織の変化として口唇部やオトガイ部などが変化することは過去にも報告されているが1-3), 上顎骨の移動に伴う鼻部への影響について検討したものは少ない4-7). 鼻部は顔の中でも中心に位置し, 高く突出した部位であるため鼻の形態が変化することにより, 顔全体のバランスに大きな影響を及ぼすと考えられる. 本研究の目的は, 顎矯正手術による上顎骨の移動に伴う鼻部の形態変化について検討することである. 対象として, 上下顎移動術を施行した骨格性下顎前突症患者30名について, 上顎骨の移動方向に従って3群に分類し, 術前後における鼻部の形態変化について比較検討した. 「資料および方法」1. 研究対象研究対象は, 新潟大学歯学部附属病院にて外科的矯正治療を行った骨格性下顎前突症患者のうち, 上下顎移動術が施行された女性30名であった(顎骨偏位および開咬を伴うものも含む). 手術時の平均年齢は, 19歳10カ月(16歳6カ月~28歳10カ月)であった. 上顎に対してはLe Fort I型骨切り術(骨切り線の高さはすべてstandard cut), 下顎に対しては下顎枝矢状分割術もしくは下顎枝垂直骨切り術により後方移動が施行されたものとした. なお, 上顎骨を前方移動したほとんどの症例において, 前鼻棘の削除が行われていた. |
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| ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
| DOI: | 10.5927/jjjd1991.12.85 |