全反射蛍光X線分析用シリコンウェハー標準試料の開発と半導体表面汚染分析への応用

半導体基板材料として用いられるシリコンウェハーには高度な表面汚染制御が要求され,そのための評価手法の一つとして全反射蛍光X線(total-reflection X-ray fluorescence analysis, TXRF)分析法が広く普及している.しかしTXRF法における信号強度は分析対象元素の深さ方向分布に敏感なため,精確な定量分析やクロスチェックを行うためには深さ方向分布の再現性の良い標準試料が必要である.本論文では,その要求を満たす標準試料作製法としてアルカリ性過酸化水素水浸せき法を提案し,その標準試料としての特性を評価した.その結果,本法で作製した試料は濃度水準間・元素間での深さ...

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Published in分析化学 Vol. 53; no. 2; pp. 61 - 69
Main Authors 森, 良弘, 上村, 賢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2004
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.53.61

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Summary:半導体基板材料として用いられるシリコンウェハーには高度な表面汚染制御が要求され,そのための評価手法の一つとして全反射蛍光X線(total-reflection X-ray fluorescence analysis, TXRF)分析法が広く普及している.しかしTXRF法における信号強度は分析対象元素の深さ方向分布に敏感なため,精確な定量分析やクロスチェックを行うためには深さ方向分布の再現性の良い標準試料が必要である.本論文では,その要求を満たす標準試料作製法としてアルカリ性過酸化水素水浸せき法を提案し,その標準試料としての特性を評価した.その結果,本法で作製した試料は濃度水準間・元素間での深さ方向分布の再現性に優れるのみならず均一性も良好であり,TXRF用標準試料に適していることが確認された.そして実際にこの標準試料を定量分析及びクロスチェック実験に利用し,従来の標準試料を用いた場合よりも精確な結果が得られることを示した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.53.61