ロープを使用したHIITにおける運動強度の違いが有酸素性・無酸素性のエネルギー代謝に与える影響
【目的】本研究の目的は、ロープを使用した高強度インターバルトレーニング(high intensity interval training : HIIT)において、ロープの重量や振る速さなどの運動負荷を調節することで、有酸素性・無酸素性のエネルギー代謝にどれほど影響を与えているのか明らかにすることである。【方法】対象は運動器疾患を有していない健常大学生20名とした。Cpex-1(呼気ガス分析装置)を使用した自転車エルゴメーターによる漸増運動負荷試験を行い、最大心拍数(HRmax)、最大酸素摂取量(VO2max)を測定した。 ロープを使用したHIITは、最も一般的な交互に腕を上下に振る動きでの運動...
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          | Published in | Conference Proceedings of Japan Society of Scientific Coaching forTraining Vol. 2019; p. 52 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本トレーニング指導学会
    
        2019
     Japan Society of Scientific Coaching for Training  | 
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| ISSN | 2433-7773 2434-3323  | 
| DOI | 10.32171/cpjssct.2019.0_52 | 
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| Summary: | 【目的】本研究の目的は、ロープを使用した高強度インターバルトレーニング(high intensity interval training : HIIT)において、ロープの重量や振る速さなどの運動負荷を調節することで、有酸素性・無酸素性のエネルギー代謝にどれほど影響を与えているのか明らかにすることである。【方法】対象は運動器疾患を有していない健常大学生20名とした。Cpex-1(呼気ガス分析装置)を使用した自転車エルゴメーターによる漸増運動負荷試験を行い、最大心拍数(HRmax)、最大酸素摂取量(VO2max)を測定した。 ロープを使用したHIITは、最も一般的な交互に腕を上下に振る動きでの運動(オルタナティブウェーブ)を行った。“運動を20秒行い、その後10秒の休息を挟む”これを8セット行うこととした。ロープを振るスピードを100bpm・60bpm、ロープの重量を7kg・13kgの4つのトレーニング群をつくり、1週間以上の期間を空け、ランダムに全対象に行った。ロープトレーニング中もCpex-1を使用し呼気ガス分析を行い、終了後に血中乳酸濃度(Lac)を測定し比較検討した。【結果】60bpm7kg群ではHRmaxに対して78.98%の負荷であり、VO2maxに対して66.61%の負荷であった。ex終了後のLacは2.42±0.41(mmol/l)であった。60bpm13kg群ではHRmaxに対して92.52%、VO2maxに対して79.98%、Lacは3.45±0.86(mmol/l)であった。 100bpm7kg群ではHRmaxに対して89.14%、VO2maxに対して80.19%、Lacは3.94±1.04(mmol/l)であった。100bpm13kg群ではHRmaxに対して95.35%、VO2maxに対して91.99%、Lacは5.32±1.12(mmol/l)であった。HRmax、VO2maxは各群において統計学的有意差は見られなかった。Lacは60bpm7kg群と100bpm13kg群において有意差がみられた(P<0.05)。【考察】ロープを使用したHIITにおける心肺機能への負荷は、全トレーニング群でHRmaxの70%を超える負荷であり強度の高いものであった。60bpmのロープトレーニングでは乳酸蓄積開始点(OBLA)を超えることはなかったため、60bpmの群は有酸素性能力の向上に適した運動だと考えられる。60bpm13kg群と100bpm7kg群では後者の方が、無酸素性のエネルギー代謝に影響を与えていた。100bpm13kg群ではOBLAを超えたため、有酸素性能力と無酸素性能力の両方の向上に適した運動だと考えられる。【現場への提言】ロープを使用したHIITは有酸素性のエネルギー代謝に与える影響は高く、強化できる可能性がある。無酸素性のエネルギー代謝の強化には、ロープの重量と振る速さのコントロールが重要であることが確認できた。 | 
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| ISSN: | 2433-7773 2434-3323  | 
| DOI: | 10.32171/cpjssct.2019.0_52 |