骨格性下顎前突症患者の側貌の変化 下顎枝矢状分割術と矯正治療との比較
緒言 歯科矯正治療の目的は, Tweed 1)によれば(1)顔面線の最良の均衡と調和(2)治療後の咬合の安定(3)健康な口腔組織(4)能率的な咀嚼機能の4項目である. このうち, 顔面線の均衡と調和に関しては, 日本でも治療後の側貌評価の一つとしてRicketts2)のE-lineが用いられている. 一方, 下顎前突を伴う患者のうち, 外科的矯正治療を要する者においては, 咀嚼障害や発音障害という機能的な要因を主訴とする場合が多く, 機能の改善を目的とすることはもちろんであるが3, 4), これらの患者では下顎の突出による審美的な要求を背景にもつ場合もあるとの報告もある5, 6). このような...
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          | Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 16; no. 1; pp. 1 - 7 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
    
        15.04.2006
     日本顎変形症学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0916-7048 1884-5045  | 
| DOI | 10.5927/jjjd1991.16.1 | 
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| Summary: | 緒言 歯科矯正治療の目的は, Tweed 1)によれば(1)顔面線の最良の均衡と調和(2)治療後の咬合の安定(3)健康な口腔組織(4)能率的な咀嚼機能の4項目である. このうち, 顔面線の均衡と調和に関しては, 日本でも治療後の側貌評価の一つとしてRicketts2)のE-lineが用いられている. 一方, 下顎前突を伴う患者のうち, 外科的矯正治療を要する者においては, 咀嚼障害や発音障害という機能的な要因を主訴とする場合が多く, 機能の改善を目的とすることはもちろんであるが3, 4), これらの患者では下顎の突出による審美的な要求を背景にもつ場合もあるとの報告もある5, 6). このような, 外科的矯正治療を要する下顎前突症患者では, 一般に上下の歯がdento-alveolar compensation7-9)を呈しており, 歯軸の改善, 幅径の調和, 適切な切歯路角の確保そして下顎の後退量を確保するために, 術前矯正治療においてはそれをdecompensationすることが目的となっている. また, その結果手術によって下顎の後退が十分になされ, 術後に機能の改善とともに審美的にも改善されるものと考えられる. | 
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| ISSN: | 0916-7048 1884-5045  | 
| DOI: | 10.5927/jjjd1991.16.1 |