災害・事故等で懸念される物質群のうち半揮発性物質に対する網羅的分析技術の開発と拡充

緊急時環境調査において,半揮発性物質群を網羅的に把握し得るスクリーニング段階及び精密分析段階の分析技術確立のために,自動同定定量システム(AIQS)に着目し,その普及のための研究開発を行った。まず国内ストック量や毒性等から災害時に測定対象となりうる物質を選定し,その検量線や質量スペクトル及び保持時間等の情報を新たに取得し,解析可能となる物質のデータベースを拡充した。また火災時の汚染の激しい試料や下水処理場排水を用い,同定困難な場合や定量性の向上を検討した。続いてAIQS の汎用化を目指し,特にターゲットチューニングが適用できない装置における補正法を開発した。また各メーカーの装置に対応可能なAI...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in地球環境 Vol. 28; no. 2; pp. 203 - 212
Main Authors 中島, 大介, 大曲, 遼, 中山, 祥嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国際環境研究協会 2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1342-226X
2758-3783
DOI10.57466/chikyukankyo.28.2_203

Cover

More Information
Summary:緊急時環境調査において,半揮発性物質群を網羅的に把握し得るスクリーニング段階及び精密分析段階の分析技術確立のために,自動同定定量システム(AIQS)に着目し,その普及のための研究開発を行った。まず国内ストック量や毒性等から災害時に測定対象となりうる物質を選定し,その検量線や質量スペクトル及び保持時間等の情報を新たに取得し,解析可能となる物質のデータベースを拡充した。また火災時の汚染の激しい試料や下水処理場排水を用い,同定困難な場合や定量性の向上を検討した。続いてAIQS の汎用化を目指し,特にターゲットチューニングが適用できない装置における補正法を開発した。また各メーカーの装置に対応可能なAIQS 解析ソフトウェアを開発し,さらに,それをオンライン上においたWeb 版AIQS の開発を行った。これらの手法ついて,発災時のモニタリングを担う地方環境研究所担当者に研修を実施し,普及と実装を進めた。これらの手法はいくつかの災害時のモニタリングに適用し,現地への貢献とともに手法の検証を行った。
ISSN:1342-226X
2758-3783
DOI:10.57466/chikyukankyo.28.2_203