出血制御のために動脈塞栓術を施行した末期口腔癌の3例

口腔外科領域の末期癌患者は原発巣や頸部転移巣からの出血により死亡することがあり, そのために患者のQOLの著しい低下を招くことがある。 今回我々は口腔癌の末期で原発巣や頸部転移巣から出血した患者に対して動脈塞栓術を施行した3例を経験したのでその概要を報告する。さらに塞栓術4日後に死亡した1例を除く2例について塞栓術前後のKarnofsky Performance Statusscale (KPS) と血清アルブミン値について比較検討した。その結果KPS, 血清アルブミン値は改善しQOLも改善したと考えられた。 今回の経験から腫瘍から出血を生じた口腔癌の末期患者に対する塞栓術が患者のQOLの維持...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 15; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 吉濱, 泰斗, 佐々木, 朗, 木村, 卓爾, 西山, 明慶, 松村, 智弘, 山田, 庸介, 目瀬, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.03.2003
日本口腔腫瘍学会
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.15.13

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Summary:口腔外科領域の末期癌患者は原発巣や頸部転移巣からの出血により死亡することがあり, そのために患者のQOLの著しい低下を招くことがある。 今回我々は口腔癌の末期で原発巣や頸部転移巣から出血した患者に対して動脈塞栓術を施行した3例を経験したのでその概要を報告する。さらに塞栓術4日後に死亡した1例を除く2例について塞栓術前後のKarnofsky Performance Statusscale (KPS) と血清アルブミン値について比較検討した。その結果KPS, 血清アルブミン値は改善しQOLも改善したと考えられた。 今回の経験から腫瘍から出血を生じた口腔癌の末期患者に対する塞栓術が患者のQOLの維持, 改善と延命につながると考えられた。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.15.13