先天性第VII因子欠乏症を伴った骨格性下顎前突症患者に対し下顎枝矢状分割術を施行した1例

「緒言」今日, 顎変形症に対する顎矯正手術は多くの施設で行われ, 一般的治療となっているが, その多くは基礎疾患がなく全身状態が良好であることが基本条件となっている1-2). 一方, 基礎疾患を有する患者が顎変形症治療を強く希望する場合もあり, このような場合, 基礎疾患の担当専門医と相談の上, 術前, 術中, 術後, 慎重に対応する必要がある. 今回われわれは先天性第VII因子欠乏症を伴った顎変形症患者に対し, 専門医との慎重な相談の上, 安全に顎矯正手術を行うことができた1例を経験したので, その概要を若干の考察を加え報告する. 「症例」患者:20歳, 男性. 初診日:2005年×月×日....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 17; no. 1; pp. 42 - 50
Main Authors 後藤, 哲, 鈴木, 孝裕, 川村, 仁, 稲原, 英恵, 小枝, 聡子, 根井, 仁志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.04.2007
日本顎変形症学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.17.42

Cover

More Information
Summary:「緒言」今日, 顎変形症に対する顎矯正手術は多くの施設で行われ, 一般的治療となっているが, その多くは基礎疾患がなく全身状態が良好であることが基本条件となっている1-2). 一方, 基礎疾患を有する患者が顎変形症治療を強く希望する場合もあり, このような場合, 基礎疾患の担当専門医と相談の上, 術前, 術中, 術後, 慎重に対応する必要がある. 今回われわれは先天性第VII因子欠乏症を伴った顎変形症患者に対し, 専門医との慎重な相談の上, 安全に顎矯正手術を行うことができた1例を経験したので, その概要を若干の考察を加え報告する. 「症例」患者:20歳, 男性. 初診日:2005年×月×日. 主訴:咬み合わせが反対である. 既往歴:18歳時, 下顎前歯部歯槽骨の骨折をするも異常出血は認めず, 矯正装置による非観血的整復固定術を行っていた. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:小学校歯科検診時に, 反対咬合を指摘されていたが放置していた. 18歳時に開業歯科医院を受診し, 顎変形症の診断のもとに術前矯正治療を行い, 19歳時に顎矯正手術のため某病院歯科口腔外科に入院した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.17.42