在宅看護の現状とその効果 寝たきり老人等への保健婦による家庭訪問指導の内容分析から

本研究の目的は, 寝たきり老人に対する家庭訪問指導の内容と効果, さらに, 対象者の転帰の実態把握から, 市町村の家庭訪問指導の役割を明らかにすることである.方法は群馬県K町の在宅寝たきり老人等訪問指導事業により, 1995年度及び1997年度に訪問された事例60件について, 訪問指導担当保健婦から対象者毎に訪問の経過を聴取し, さらに, 対象者が死亡した家族10人への面接により, 保健婦の指導に対する家族の意見を聴取した.その結果, 患者の生活圏の拡大, 死の予知と終末期の援助, 家族関係調整による介護者支援の効果が確認された.また, 人々が望む住み慣れた家での看取りをより多く実現させるため...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 49; no. 3; pp. 165 - 175
Main Authors 藤野, 文代, 矢島, まさえ, 森, 陽子, 大野, 絢子, 小泉, 美佐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 1999
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.49.165

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Summary:本研究の目的は, 寝たきり老人に対する家庭訪問指導の内容と効果, さらに, 対象者の転帰の実態把握から, 市町村の家庭訪問指導の役割を明らかにすることである.方法は群馬県K町の在宅寝たきり老人等訪問指導事業により, 1995年度及び1997年度に訪問された事例60件について, 訪問指導担当保健婦から対象者毎に訪問の経過を聴取し, さらに, 対象者が死亡した家族10人への面接により, 保健婦の指導に対する家族の意見を聴取した.その結果, 患者の生活圏の拡大, 死の予知と終末期の援助, 家族関係調整による介護者支援の効果が確認された.また, 人々が望む住み慣れた家での看取りをより多く実現させるための地域の専門職の存在が明らかになった.さらに, 家族, 近隣にとっての在宅看護の意味と, それを支える市町村の家庭訪問指導の役割が明らかになった.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.49.165