経皮内視鏡的空腸瘻造設術 (Direct percutaneous endoscopic jejunostomy: D-PEJ) 後の長期栄養管理における血清微量元素, ビタミン濃度の検討
経口摂取不能な症例において長期の栄養投与を行なう場合経腸栄養が施行されることが多い。中でも経皮内視鏡的胃瘻造設術 (percutaneous endoscopic gastrostomy,以下PEG) は,経腸栄養の第一選択として増加の一途をたどっている。しかし,胃切除後の症例や,胃瘻からの栄養投与で誤嚥や肺炎を繰り返す症例では,しばしば経空腸栄養が選択される。経空腸栄養の場合上部空腸から栄養を注入するため,栄養素の消化吸収の動態が経胃栄養と異なるものと思われる。今回我々は,経皮内視鏡的空腸瘻造設術 (direct percutaneous endoscopic jejunostomy,以下D...
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| Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 56; no. 4; pp. 632 - 637 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2007
日本農村医学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
| DOI | 10.2185/jjrm.56.632 |
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| Summary: | 経口摂取不能な症例において長期の栄養投与を行なう場合経腸栄養が施行されることが多い。中でも経皮内視鏡的胃瘻造設術 (percutaneous endoscopic gastrostomy,以下PEG) は,経腸栄養の第一選択として増加の一途をたどっている。しかし,胃切除後の症例や,胃瘻からの栄養投与で誤嚥や肺炎を繰り返す症例では,しばしば経空腸栄養が選択される。経空腸栄養の場合上部空腸から栄養を注入するため,栄養素の消化吸収の動態が経胃栄養と異なるものと思われる。今回我々は,経皮内視鏡的空腸瘻造設術 (direct percutaneous endoscopic jejunostomy,以下D-PEJ) 後の症例における血清微量元素およびビタミン濃度を,PEG後の症例と比較検討した。いずれも造設後6か月以上経腸栄養を継続した症例を対象とした。微量元素のうち,血清鉄,セレン濃度は有意差を認めなかったが,亜鉛および銅濃度はD-PEJ群で有意に低値であった。一方,血清ビタミンA,B12,E濃度においては両群間で有意佐は認められなかった。また,D-PEJ群で銅欠乏症状と思われる貧血や好中球減少が多く認められた。長期の経空腸栄養では銅,亜鉛などの欠乏症に留意する必要があると考えられた。 |
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| ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
| DOI: | 10.2185/jjrm.56.632 |