生活習慣病に対する栄養指導の研究 チーム医療をめざして

目的: 入院患者の栄養指導において, 目に見えた効果を出す事は難しく生活の背景も含めた改善に向けての新しい取り組みが急務である.効果的な指導のあり方を実態調査を通し考察する. 方法: 生活習慣病の患者を対象に食生活調査を行い, 効果的な指導につなげるための問題点を抽出し, 実際の指導の中から, どのように解決されるかを検討した.調査対象は札幌市H病院の入院患者102名のうち栄養指導を受けた75名である.有効回答者は71名であった.調査内容は, 栄養指導の理解度, 意識の変化の程度, 食生活の改善ができない理由等についてである.さらに, 生活習慣病改善プログラムを用いた指導の実際を検討した. 結...

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Published inJapanese Journal of Health Education and Promotion Vol. 13; no. 1; pp. 22 - 33
Main Authors 川越, 有見子, 高橋, 美奈子, 佐藤, 舞子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康教育学会 30.06.2005
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
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ISSN1340-2560
1884-5053
DOI10.11260/kenkokyoiku1993.13.22

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Summary:目的: 入院患者の栄養指導において, 目に見えた効果を出す事は難しく生活の背景も含めた改善に向けての新しい取り組みが急務である.効果的な指導のあり方を実態調査を通し考察する. 方法: 生活習慣病の患者を対象に食生活調査を行い, 効果的な指導につなげるための問題点を抽出し, 実際の指導の中から, どのように解決されるかを検討した.調査対象は札幌市H病院の入院患者102名のうち栄養指導を受けた75名である.有効回答者は71名であった.調査内容は, 栄養指導の理解度, 意識の変化の程度, 食生活の改善ができない理由等についてである.さらに, 生活習慣病改善プログラムを用いた指導の実際を検討した. 結果: 食生活習慣を変えることは, 制約も加わるが, 時間をかけて改善が出来た日を増やしていくことが望ましい習慣形成へとつながる.そのためには, 指導を受ける個々人に適した治療プログラムを作成し, チーム医療の形で支援していくことが, 指導効果を引き出す上で有益であった. 結論: 生活習慣病外来は健康寿命を延ばす役割を担っているので, 支援体制を整え, 「自分の健康は自分で守る」という自己管理意識を実践向上させることが, 治療の効果をあげる上でも有用であることが示唆された.
ISSN:1340-2560
1884-5053
DOI:10.11260/kenkokyoiku1993.13.22