顎裂部への二次的自家腸骨移植後の歯の観察

犬歯萌出前後に顎裂部へ自家腸骨移植を行い,移植後の歯の移動と骨架橋形態について観察した。 対象は,佐賀医科大学歯科口腔外科において1983年3月から1996年12月の間に,顎裂部へ骨移植を行った105例のうち,犬歯萌出期の26例31顎裂であった。 年齢は8歳から14歳で,犬歯未萌出群16例19顎裂,犬歯萌出群10例12顎裂であった。犬歯未萌出群16例19顎裂については,パナグラフィーX線写真を用いて,術前の犬歯の位置と移植後の萌出状態,骨架橋形態を検討した。 犬歯萌出のために,開窓,歯の牽引処置を行ったのは2顎裂であり,17顎裂は骨移植の他に特別な処置を行わずに,犬歯は自然萌出した。 犬歯未萌...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 83 - 90
Main Authors 野口, 信宏, 香月, 武, 井崎, 理理子, 後藤, 昌昭, 井原, 功一郎, 豊田, 純一朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 30.04.1998
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate1976.23.2_83

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Summary:犬歯萌出前後に顎裂部へ自家腸骨移植を行い,移植後の歯の移動と骨架橋形態について観察した。 対象は,佐賀医科大学歯科口腔外科において1983年3月から1996年12月の間に,顎裂部へ骨移植を行った105例のうち,犬歯萌出期の26例31顎裂であった。 年齢は8歳から14歳で,犬歯未萌出群16例19顎裂,犬歯萌出群10例12顎裂であった。犬歯未萌出群16例19顎裂については,パナグラフィーX線写真を用いて,術前の犬歯の位置と移植後の萌出状態,骨架橋形態を検討した。 犬歯萌出のために,開窓,歯の牽引処置を行ったのは2顎裂であり,17顎裂は骨移植の他に特別な処置を行わずに,犬歯は自然萌出した。 犬歯未萌出群と犬歯萌出群の移植後の骨架橋形態については,犬歯未萌出群の方が幅の広い骨架橋であった。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate1976.23.2_83