尿路結石症患者における早朝空腹時4時間蓄尿の意義

特発性Ca含有上部尿路結石症117例に対して, 早朝絶食下にて朝7時から11時までの4時間蓄尿を施行し, 従来行なわれている24時間蓄尿との比較を行なったところ, 以下の結果が得られた. 1. 4時間蓄尿中のCa, P, Mg排泄量 (mg/g・creatinine) は, 絶食の影響にて, 24時間蓄尿中のそれらの排泄量に比べて有意に低いが (p<0.01), 同時に両者の間には正の相関を認めた (p<0.01). U. A. 排泄量は両蓄尿間にて有意差はないが, 正の相関を認めた (p<0.01). 2. 結石患者の中で13名の特発性高Ca尿症患者を, PaKの方法に準じ...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 79; no. 3; pp. 547 - 551
Main Authors 高田, 昌彦, 郡, 健二郎, 井口, 正典, 加藤, 良成, 片岡, 喜代徳, 栗田, 孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 1988
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.79.3_547

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Summary:特発性Ca含有上部尿路結石症117例に対して, 早朝絶食下にて朝7時から11時までの4時間蓄尿を施行し, 従来行なわれている24時間蓄尿との比較を行なったところ, 以下の結果が得られた. 1. 4時間蓄尿中のCa, P, Mg排泄量 (mg/g・creatinine) は, 絶食の影響にて, 24時間蓄尿中のそれらの排泄量に比べて有意に低いが (p<0.01), 同時に両者の間には正の相関を認めた (p<0.01). U. A. 排泄量は両蓄尿間にて有意差はないが, 正の相関を認めた (p<0.01). 2. 結石患者の中で13名の特発性高Ca尿症患者を, PaKの方法に準じて, 腸管型高Ca尿症 (A. H.) 9名, 腎型高Ca尿症 (R. H.) 4名に分類し, 両群の間で4時間尿中のCa排泄量を比較した. R. H. におけるCa排泄量はA. H. におけるCa排泄量に比して有意に高かった (p<0.05). 以上の結果より, 早朝空腹時の4時間蓄尿は, 特発性高Ca尿症の鑑別診断, 特に R. H. の診断に応用できうることが示唆された.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.79.3_547