虚血性心筋症の外科治療成績
【背景・目的】虚血性重症心不全に対して補助人工心臓治療も適応されうる時代となった.冠動脈バイパス手術,僧帽弁手術,左室形成術ならびに補助人工心臓の治療成績を検証する.【方法】術前左室駆出率30 %未満の虚血性心筋症例 (CABG群), 左室形成術実施例 (SVR群), および補助人工心臓装着例 (LVAD群) を抽出し,その治療成績を後方視的に検討した.【結果】在院死亡率は,CABG群10 %,SVR群10.5 %,LVAD群75 %であり,術前腎機能障害,僧帽弁逆流3度以上,僧帽弁手術併施が在院死亡の有意なリスク因子であった.1年および5年生存率は,それぞれCABG群85 %,80 %; S...
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Published in | 日本冠疾患学会雑誌 Vol. 22; no. 2; pp. 87 - 92 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本冠疾患学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 1341-7703 2187-1949 |
DOI | 10.7793/jcoron.22.15-00026 |
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Summary: | 【背景・目的】虚血性重症心不全に対して補助人工心臓治療も適応されうる時代となった.冠動脈バイパス手術,僧帽弁手術,左室形成術ならびに補助人工心臓の治療成績を検証する.【方法】術前左室駆出率30 %未満の虚血性心筋症例 (CABG群), 左室形成術実施例 (SVR群), および補助人工心臓装着例 (LVAD群) を抽出し,その治療成績を後方視的に検討した.【結果】在院死亡率は,CABG群10 %,SVR群10.5 %,LVAD群75 %であり,術前腎機能障害,僧帽弁逆流3度以上,僧帽弁手術併施が在院死亡の有意なリスク因子であった.1年および5年生存率は,それぞれCABG群85 %,80 %; SVR群89.7 %,89.7 %; LVAD群50 %,0 %であり,CABG群とSVR群には差がなくLVAD群で有意に不良であった (p=0.028).【結語】補助人工心臓を含む虚血性心筋症の外科治療の急性期成績にはさらなる改善が望まれる. |
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ISSN: | 1341-7703 2187-1949 |
DOI: | 10.7793/jcoron.22.15-00026 |