胸髄髄内発生と考えられた神経腸嚢胞の1例

胸髄髄内発生と考えられた神経腸嚢胞の1手術例を報告する.症例は7歳の男児.比較的急速に進行する痙性対麻痺を呈した.脊髄MRIでTh1/2レベルの髄内に局在する嚢胞性病変を認めた.初回治療として嚢胞壁開窓術を行い,神経腸嚢胞の病理診断を得た.術後2週間で再発を認め,追加治療として嚢胞-くも膜下腔シャント術を施行したところ,嚢胞の消失と症状の改善が得られた.神経腸嚢胞は,脊索と前腸の不完全な分離により生じるまれな先天疾患で,脊髄髄内発生は非常にまれとされる.その外科的治療について過去の報告をレビューし,治療方針について若干の考察を行う....

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 21; no. 8; pp. 631 - 636
Main Authors 定政, 信猛, 黒崎, 義隆, 奥, 圭佑, 吉本, 修也, 佐野, 徳隆, 小柳, 正臣, 山形, 専, 佐藤, 宰, 鳥橋, 孝一, 黒山, 貴弘, 永田, 学, 半田, 明, 鳴海, 治, 西, 秀久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 20.08.2012
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.21.631

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Summary:胸髄髄内発生と考えられた神経腸嚢胞の1手術例を報告する.症例は7歳の男児.比較的急速に進行する痙性対麻痺を呈した.脊髄MRIでTh1/2レベルの髄内に局在する嚢胞性病変を認めた.初回治療として嚢胞壁開窓術を行い,神経腸嚢胞の病理診断を得た.術後2週間で再発を認め,追加治療として嚢胞-くも膜下腔シャント術を施行したところ,嚢胞の消失と症状の改善が得られた.神経腸嚢胞は,脊索と前腸の不完全な分離により生じるまれな先天疾患で,脊髄髄内発生は非常にまれとされる.その外科的治療について過去の報告をレビューし,治療方針について若干の考察を行う.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.21.631