先天性器質的下部尿路通過障害の臨床
最近約16年間の先天性器質的下部尿路通過障害35例を報告した. I. 後部尿道弁7例は全例TUR弁を施行, 大多数に満足すべき結果をえた. II. 前部尿道弁または憩室6例は2例に観血的手術を, 4例にTURを施行, ほぼ満足すべき結果をえたが, distal lip の切除不充分な2例は再TURを要した. III. 前部尿道狭窄20例は大多数が球部尿道リング状狭窄で, 狭窄がごく軽度の2例はブジーのみ施行されたが, 大多数の16例にはTURが施行され, ほぼ満足すべき結果をえた. しかし, 4例が再狭窄のため再TURを要した. 合併奇形を有する高度狭窄の1例のみ観血的手術となった. IV....
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          | Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 77; no. 2; pp. 276 - 288 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            社団法人 日本泌尿器科学会
    
        1986
     | 
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| ISSN | 0021-5287 1884-7110  | 
| DOI | 10.5980/jpnjurol1928.77.2_276 | 
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| Summary: | 最近約16年間の先天性器質的下部尿路通過障害35例を報告した. I. 後部尿道弁7例は全例TUR弁を施行, 大多数に満足すべき結果をえた. II. 前部尿道弁または憩室6例は2例に観血的手術を, 4例にTURを施行, ほぼ満足すべき結果をえたが, distal lip の切除不充分な2例は再TURを要した. III. 前部尿道狭窄20例は大多数が球部尿道リング状狭窄で, 狭窄がごく軽度の2例はブジーのみ施行されたが, 大多数の16例にはTURが施行され, ほぼ満足すべき結果をえた. しかし, 4例が再狭窄のため再TURを要した. 合併奇形を有する高度狭窄の1例のみ観血的手術となった. IV. 女児尿道末梢部狭窄2例はいずれもブジーで無抑制膀胱の消失も含め満足すべき結果をえた. VCUの普及, 尿水力学的検査法の進歩や小児用内視鏡の発達などで今日ではこれらの疾患の診断が容易になるとともに, 治療もTURが主となって来ているが, 検査所見の解釈には慎重であらねばならず, またTURも慎重な操作が要求される. また2ないし数期に渡る段階的手術を要する例もあることを念頭に置き治療に当る必要もある. | 
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| ISSN: | 0021-5287 1884-7110  | 
| DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.77.2_276 |