OPCABにおけるsequential吻合のための新しいグラフト把持装置
近年,心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)おいては,内胸動脈(ITA)が第一選択グラフトになり,skeletonized harvestによりITAによるsequential bypassも可能となった.ITAは直径2 mmと細く,血管把持に伴う血管損傷が,遠隔期のグラフト開存に影響するため愛護的な操作が必要である.私達はsequential吻合時に新しいグラフト把持装置を導入している.このグラフト把持装置(Gentle Balloon Stopper®: GBS)は,グラフト把持を先端のシリコンバルーンで行う.また,付属するチューブを術野に固定することで,血流遮断に加えて,グラフトの把持と...
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Published in | 日本冠疾患学会雑誌 Vol. 20; no. 3; pp. 206 - 208 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本冠疾患学会
2014
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Subjects | |
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ISSN | 1341-7703 2187-1949 |
DOI | 10.7793/jcoron.20.13-00034 |
Cover
Summary: | 近年,心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)おいては,内胸動脈(ITA)が第一選択グラフトになり,skeletonized harvestによりITAによるsequential bypassも可能となった.ITAは直径2 mmと細く,血管把持に伴う血管損傷が,遠隔期のグラフト開存に影響するため愛護的な操作が必要である.私達はsequential吻合時に新しいグラフト把持装置を導入している.このグラフト把持装置(Gentle Balloon Stopper®: GBS)は,グラフト把持を先端のシリコンバルーンで行う.また,付属するチューブを術野に固定することで,血流遮断に加えて,グラフトの把持と固定が行えるほか,吻合部に無理な力をかけず,吻合操作の妨げにもならない.これらの特徴から新しいグラフト把持装置GBSの使用が,OPCAB時における安定したグラフト吻合に役立つと考えている. |
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ISSN: | 1341-7703 2187-1949 |
DOI: | 10.7793/jcoron.20.13-00034 |