35年間行ってきた腰痛に対する保存的療法の実際

1955年札幌医大の整形外科に入局したが, 一期生のため先輩がおらず, 腰痛の治療に苦労した. 1958年米国ケンタッキー州ルイヴィル大学に留学し, スパーリングやレザマンから腰痛の治療, 特に日常生活の姿勢と腰痛に関して学んだ. 帰国後姿勢性腰痛症として腰痛の治療を行った. 初回腰痛で受診し, 再診した患者について調査をした. これら腰痛患者の71.8%が1週間以内で改善し, 2週間以上通院したのは28.2%であった. 再診までの平均期間は4.9年で, この間日常生活の姿勢に注意しただけで, 腰痛体操や鎮痛剤の投与も受けていなかった. 腰痛出現時のアンケート調査で, 男性では重量物挙上37....

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Bibliographic Details
Published in日本腰痛研究会雑誌 Vol. 5; no. 1; pp. 8 - 18
Main Author 中野, 昇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 29.10.1999
日本腰痛研究会
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ISSN1341-7355
1884-2186
DOI10.14898/yotsu1995.5.8

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Summary:1955年札幌医大の整形外科に入局したが, 一期生のため先輩がおらず, 腰痛の治療に苦労した. 1958年米国ケンタッキー州ルイヴィル大学に留学し, スパーリングやレザマンから腰痛の治療, 特に日常生活の姿勢と腰痛に関して学んだ. 帰国後姿勢性腰痛症として腰痛の治療を行った. 初回腰痛で受診し, 再診した患者について調査をした. これら腰痛患者の71.8%が1週間以内で改善し, 2週間以上通院したのは28.2%であった. 再診までの平均期間は4.9年で, この間日常生活の姿勢に注意しただけで, 腰痛体操や鎮痛剤の投与も受けていなかった. 腰痛出現時のアンケート調査で, 男性では重量物挙上37.2%, 前屈位姿勢の持続34 .2%, 女性では前者が40.8%, 後者が46.8%で姿勢と関係あり, この腰痛は男性で78.4%, 女性で85.7% が2 週間以内で軽快しており, 日常生活の姿勢に注意するだけで, 腰痛の治療にも予防にも効果があった.
ISSN:1341-7355
1884-2186
DOI:10.14898/yotsu1995.5.8