小児喉頭・気管・気管支軟化症の診断と治療

喉頭軟化症(喉頭軟弱症)は乳児期の吸気性喘鳴の原因として最も多い疾患であり,吸気時に喉頭の閉塞,狭窄をきたし,吸気性喘鳴,閉塞性無呼吸などをおこす。喉頭軟化症は特別な治療を必要とせず,1年くらいの経過で自然に治癒する場合が多い。しかし,一部の重症例では,保存的管理が困難で,積極的介入が必要となる場合もある。積極的治療として,喉頭形成術,喉頭蓋吊り上げ術などが行われる。気管・気管支軟化症は,主に気道の膜性部/軟骨部の比率の増加により,気道の脆弱性が増し,dying spellなどの重篤な症状を呈することもある気道病変である。気管・気管支軟化症は従来まれな疾患と考えられていたが,気管支鏡検査などに...

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Bibliographic Details
Published inPediatric Otorhinolaryngology Japan Vol. 38; no. 3; pp. 282 - 290
Main Author 長谷川, 久弥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児耳鼻咽喉科学会 2017
Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngology
Subjects
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ISSN0919-5858
2186-5957
DOI10.11374/shonijibi.38.282

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Summary:喉頭軟化症(喉頭軟弱症)は乳児期の吸気性喘鳴の原因として最も多い疾患であり,吸気時に喉頭の閉塞,狭窄をきたし,吸気性喘鳴,閉塞性無呼吸などをおこす。喉頭軟化症は特別な治療を必要とせず,1年くらいの経過で自然に治癒する場合が多い。しかし,一部の重症例では,保存的管理が困難で,積極的介入が必要となる場合もある。積極的治療として,喉頭形成術,喉頭蓋吊り上げ術などが行われる。気管・気管支軟化症は,主に気道の膜性部/軟骨部の比率の増加により,気道の脆弱性が増し,dying spellなどの重篤な症状を呈することもある気道病変である。気管・気管支軟化症は従来まれな疾患と考えられていたが,気管支鏡検査などによる検索で診断される機会が増加している。治療は,high PEEP療法などによる保存的療法に加え,外ステント術を中心とした有効率の高い外科治療も施行されるようになり,救命率の向上に貢献している。
ISSN:0919-5858
2186-5957
DOI:10.11374/shonijibi.38.282