半月板を介在して荷重を担う軟骨の組織学的,力学的特性 ブタ膝関節を用いた実験研究

【目的】ブタ脛骨軟骨における半月板に被覆された軟骨(被覆部軟骨)は被覆されていない軟骨(非被覆部軟骨)と比較して力学的特性や表層コラーゲン線維を中心とした組織学的所見が異なるのかを検証する。【方法】豚膝関節の内外側関節面における被覆部軟骨,非被覆部軟骨から骨軟骨プラグを採取した。各領域から得たプラグに対して力学的特性の評価としてインデンテーション試験を,組織学的評価としてサフラニンO染色を,コラーゲン線維構造の評価として走査型電子顕微鏡による観察を行った。【結果】被覆部軟骨は圧縮負荷に対する変形量が非被覆部軟骨よりも大きかった。組織学的に被覆部軟骨のサフラニンO染色性は低く,表層コラーゲン線維...

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Published in理学療法学 Vol. 40; no. 5; pp. 355 - 363
Main Authors 伊藤, 明良, 黒木, 裕士, 秋山, 治彦, 張, 項凱, 太治野, 純一, 山口, 将希, 長井, 桃子, 飯島, 弘貴, 青山, 朋樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.08.2013
日本理学療法士協会
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00008826560

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Summary:【目的】ブタ脛骨軟骨における半月板に被覆された軟骨(被覆部軟骨)は被覆されていない軟骨(非被覆部軟骨)と比較して力学的特性や表層コラーゲン線維を中心とした組織学的所見が異なるのかを検証する。【方法】豚膝関節の内外側関節面における被覆部軟骨,非被覆部軟骨から骨軟骨プラグを採取した。各領域から得たプラグに対して力学的特性の評価としてインデンテーション試験を,組織学的評価としてサフラニンO染色を,コラーゲン線維構造の評価として走査型電子顕微鏡による観察を行った。【結果】被覆部軟骨は圧縮負荷に対する変形量が非被覆部軟骨よりも大きかった。組織学的に被覆部軟骨のサフラニンO染色性は低く,表層コラーゲン線維の密度が低かった。【結論】日常的に半月板を介在して荷重を受けていた被覆部軟骨は軟骨基質成分に乏しく,半月板損傷,半月板切除後に被覆部軟骨が直接荷重を強いられると局所的に大きな変形を生じる可能性がある。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00008826560