Chiari手術後における運動療法の客観的指標 外転筋の筋力増強運動の開始時期, 増加量及び到達目標について

進行期・末期関節症に対して外反骨切り術併用のChiari手術を施行した21例21股関節を対象に,術後の経過における外転筋に対する適正な筋力増強運動の開始時期,増加量及び到達目標について検討した。その結果,外転運動時と免荷から全荷重歩行までの各股関節合力の関係より,1/3部分荷重歩行時期までは背臥位で,1/2部分荷重歩行時期から側臥位で外転筋の筋力増強運動を開始すれば,股関節に過負荷なく安全に行うことができると考えられた。また外転筋筋力の到達目標はSharp角50度以下,臼蓋骨頭指数70%以上の関節適合性良好例では,生体力学的に,てこ比と外転筋筋力の関係において求心性・遠心性収縮は,てこ比2.5...

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Published in理学療法学 Vol. 30; no. 6; pp. 362 - 370
Main Authors 山本, 耕之, 永井, 良治, 上田, 信弘, 野上, 正太, 奥村, 哲生, 井上, 明生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.10.2003
日本理学療法士協会
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001019827

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Summary:進行期・末期関節症に対して外反骨切り術併用のChiari手術を施行した21例21股関節を対象に,術後の経過における外転筋に対する適正な筋力増強運動の開始時期,増加量及び到達目標について検討した。その結果,外転運動時と免荷から全荷重歩行までの各股関節合力の関係より,1/3部分荷重歩行時期までは背臥位で,1/2部分荷重歩行時期から側臥位で外転筋の筋力増強運動を開始すれば,股関節に過負荷なく安全に行うことができると考えられた。また外転筋筋力の到達目標はSharp角50度以下,臼蓋骨頭指数70%以上の関節適合性良好例では,生体力学的に,てこ比と外転筋筋力の関係において求心性・遠心性収縮は,てこ比2.5〜3.0未満では1.00Nm/kg以上,てこ比3.0〜4.5未満では1.10Nm/kg以上また等尺性収縮は,てこ比2.5〜3.0未満では0.60Nm/kg以上,てこ比3.0〜4.5未満では0.70Nm/kg以上の3収縮条件を満たせば,すべてトレンデレンブルグ徴候が陰性になることが示唆された
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001019827