超音波の機械的効果 カエルの皮膚における水分子透過性の変化

超音波をカエルの皮膚に照射すると皮膚の透過性が変化する。この変化は超音波の機械的作用と温熱作用によって影響を受ける。しかし,機械的作用に関する研究は少ない。超音波照射による皮膚の水分子透過性の変化を,温熱作用と機械的作用に分けて検討し,超音波の機械的効果を確認した。カエルの腹部の皮膚10枚を使用した。1枚の皮膚に対して,刺激,超音波照射,加温水の3種類の条件で行った。超音波照射条件は1MHz,0.5W/cm2,10分間(連続波)とし,皮膚の内側から照射した。超音波プローブの直径は3.7cm(全面積:10.7cm2)である。加温水は,超音波照射による温度上昇と同程度上昇させたリンガー氏液を使用し...

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Published in理学療法学 Vol. 34; no. 1; pp. 29 - 33
Main Authors 宮津, 真寿美, 木山, 喬博, 大野, 善隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.02.2007
日本理学療法士協会
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00004536415

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Summary:超音波をカエルの皮膚に照射すると皮膚の透過性が変化する。この変化は超音波の機械的作用と温熱作用によって影響を受ける。しかし,機械的作用に関する研究は少ない。超音波照射による皮膚の水分子透過性の変化を,温熱作用と機械的作用に分けて検討し,超音波の機械的効果を確認した。カエルの腹部の皮膚10枚を使用した。1枚の皮膚に対して,刺激,超音波照射,加温水の3種類の条件で行った。超音波照射条件は1MHz,0.5W/cm2,10分間(連続波)とし,皮膚の内側から照射した。超音波プローブの直径は3.7cm(全面積:10.7cm2)である。加温水は,超音波照射による温度上昇と同程度上昇させたリンガー氏液を使用した。刺激に比べて,超音波照射は水分子透過性を増加させ,一方,加温水は水分子透過性を減少させた。加温水と超音波照射の結果が相反するものであったため,超音波照射の機械的効果は存在すると考えられる。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00004536415