非アルコール性脂肪性肝疾患に対する外来栄養食事指導の効果

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療の原則は、食事療法であることが診療ガイドにおいて明記されている。しかし、その有効性を示した報告は少ない。我々は、NAFLD 症例に対する外来栄養食事指導(栄養指導)の効果を検討した。対象67 例の血液生化学検査成績は栄養指導前に比較して栄養指導後で、AST 値、ALT値、γGTP 値が有意に低下した。次に、67 例のうち34 例は、栄養指導の継続を希望した。34 例の血液生化学検査成績、身体計測値、栄養素摂取量について、栄養指導前後における変化を検討した。その結果、栄養指導後はALT 値、γGTP 値、BMI、体重、腹囲が有意に低下した。さらに、エ...

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Published inJournal of the Japan Dietetic Association Vol. 52; no. 11; pp. 1001 - 1008
Main Authors 嶋, 由紀, 増田, 香織, 中牟田, 誠, 安武, 健一郎, 一ノ瀬, 雅子, 早田, 福子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2009
The Japan Dietetic Association
Subjects
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.52.1001

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Summary:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の治療の原則は、食事療法であることが診療ガイドにおいて明記されている。しかし、その有効性を示した報告は少ない。我々は、NAFLD 症例に対する外来栄養食事指導(栄養指導)の効果を検討した。対象67 例の血液生化学検査成績は栄養指導前に比較して栄養指導後で、AST 値、ALT値、γGTP 値が有意に低下した。次に、67 例のうち34 例は、栄養指導の継続を希望した。34 例の血液生化学検査成績、身体計測値、栄養素摂取量について、栄養指導前後における変化を検討した。その結果、栄養指導後はALT 値、γGTP 値、BMI、体重、腹囲が有意に低下した。さらに、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、コレステロール摂取量は有意な低下を認め適正化した。しかし、ビタミンE、ビタミンC、食物繊維の適正化においては課題を残した。NAFLD 症例に対する栄養指導は、病態の改善に有効であり、積極的に取り組まれるべきである。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.52.1001