乳房炎より分離されたStaphylococcus aureusの毒素産生性について

管内の牛乳房炎より分離されたS.auyeusのコアグラーゼタイプ, エンテロトキシン, 毒素性ショック症候群毒素 (TSST-1) の産生性について調べたところ, エンテロトキシンとTSST-1については, 臨床症状別では, その産生性に有意な差は認められなかった。臨床症状を示したものは全体で, コアグラーゼVI型が最も多く (30.9%) , エンテロトキシン産生株は50.6%でそのうちC型が最も多かった (47.8%) 。次いで, TSST-1産生株は, 全体の34.3%あった。農家別では, コアグラーゼタイプ, エンテロトキシンタイプおよびTSST-1産生性に関連して検出される菌は, 農...

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Published in獣医情報科学雑誌 Vol. 1996; no. 37; pp. 7 - 11
Main Authors 溝本, 朋子, 市川, 意子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 獣医疫学会 1996
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ISSN0912-8913
1884-5614
DOI10.2743/jve1986.1996.37_7

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Summary:管内の牛乳房炎より分離されたS.auyeusのコアグラーゼタイプ, エンテロトキシン, 毒素性ショック症候群毒素 (TSST-1) の産生性について調べたところ, エンテロトキシンとTSST-1については, 臨床症状別では, その産生性に有意な差は認められなかった。臨床症状を示したものは全体で, コアグラーゼVI型が最も多く (30.9%) , エンテロトキシン産生株は50.6%でそのうちC型が最も多かった (47.8%) 。次いで, TSST-1産生株は, 全体の34.3%あった。農家別では, コアグラーゼタイプ, エンテロトキシンタイプおよびTSST-1産生性に関連して検出される菌は, 農家毎に特定のタイプに片寄る傾向がみられた。以上の結果から, エンテロトキシンとTSST-1は乳房炎の炎症誘起の要因となっている可能性は示唆ました。さらに他の細菌側の因子, あるいは宿主の免疫能が病勢を大きく左右するものと思われた。
ISSN:0912-8913
1884-5614
DOI:10.2743/jve1986.1996.37_7