エタネルセプト投与中に血球貪食症候群(HPS)を来たした関節リウマチの一例

(症例)66歳、女性。52歳発症の関節リウマチ(RA)にて2007年秋よりインフリキシマブ投与するも無効。2007年11月13日よりエタネルセプト25mgを2回/週で開始。2008年1月8日から1回/週に減量し4月15日まで合計28回投与。PSL2mg/日、MTX10mg/週を併用していたが、関節炎のコントロールは不良であった。3月頃より時々微熱、4月中旬よりふらつき、嘔気が出現したため、前医受診し、汎血球減少、炎症反応高値、肝障害を指摘され精査加療目的に当院に転院となる。来院時、発熱、多関節炎、右CVA叩打痛を認めた。膿尿あり、WBC1200/㎣、Hb4.2g/dl、Plt6.9×10⁴/㎣...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 36; p. 113
Main Authors 萩山, 裕之, 檜山, 眞貴代, 宮城, 憲一, 川満, 久恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2008
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.36.0.113.0

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Summary:(症例)66歳、女性。52歳発症の関節リウマチ(RA)にて2007年秋よりインフリキシマブ投与するも無効。2007年11月13日よりエタネルセプト25mgを2回/週で開始。2008年1月8日から1回/週に減量し4月15日まで合計28回投与。PSL2mg/日、MTX10mg/週を併用していたが、関節炎のコントロールは不良であった。3月頃より時々微熱、4月中旬よりふらつき、嘔気が出現したため、前医受診し、汎血球減少、炎症反応高値、肝障害を指摘され精査加療目的に当院に転院となる。来院時、発熱、多関節炎、右CVA叩打痛を認めた。膿尿あり、WBC1200/㎣、Hb4.2g/dl、Plt6.9×10⁴/㎣と汎血球減少を認めた。MTXを中止しロイコボリンを開始するとともに、尿路感染症に対し抗生剤を開始した。第2病日、骨髄穿刺施行し血球貪食像を認めたため、発熱、高LDH血症、高ferritin血症とあわせHPSと診断。メチルプレドニゾロンのパルス療法(1000mg×3日間)施行し、PSLを50mg/日へ増量した。2週間後、症状改善したためPSL40mg/日へ減量したところ血小板数の減少を認めたためシクロスポリンの併用を開始した。その後血小板数は増加し、PSLを25mg/日まで漸減し退院となった。なお、EBVやCMVの感染は血清学的に否定的であった。HPSはRAの稀な合併症であるが、特にエタネルセプト投与中の報告はわずかであり文献的考察を加え報告する。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.36.0.113.0