最近2年間における関東地区の口唇口蓋裂の発生状況について
関東地区における昭和56-57年の口唇口蓋裂の発生状況について産婦人科医を対象に調査を行ったところ、以下のような結果が得られた. 1.総出生数は133,042名であり,そのうち口唇口蓋裂児は217名(内死産および早期死亡例15例)で発生率は0.163%であった. 2.裂型別頻度は唇顎口蓋裂(53.6%)が最も多く,ついで唇顎裂(28.4%),口蓋裂(18.0%)の順であり,裂型間に有意差が認められた. 3.裂型が判明した症例において,性差は男子98名,女子85名で男性にやや多く,裂型別では唇顎裂は男性に多く,唇顎口蓋裂は男女ほぼ同数,口蓋裂は女性に多い傾向であった. 4.破裂側は4:1の割合で...
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Published in | 日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 9; no. 2; pp. 148 - 158 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本口蓋裂学会
1984
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-5185 2186-5701 |
DOI | 10.11224/cleftpalate1976.9.2_148 |
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Summary: | 関東地区における昭和56-57年の口唇口蓋裂の発生状況について産婦人科医を対象に調査を行ったところ、以下のような結果が得られた. 1.総出生数は133,042名であり,そのうち口唇口蓋裂児は217名(内死産および早期死亡例15例)で発生率は0.163%であった. 2.裂型別頻度は唇顎口蓋裂(53.6%)が最も多く,ついで唇顎裂(28.4%),口蓋裂(18.0%)の順であり,裂型間に有意差が認められた. 3.裂型が判明した症例において,性差は男子98名,女子85名で男性にやや多く,裂型別では唇顎裂は男性に多く,唇顎口蓋裂は男女ほぼ同数,口蓋裂は女性に多い傾向であった. 4.破裂側は4:1の割合で片側性が多く,左右別では左側にやや多い傾向であった. 5.25009以下の低出生体重児および36週以前の早期出産の頻度が一般集団と比較して有意に高かった. 6.合併奇形の発現率は21.3%と高率であり,四肢奇形が最も多く,小顎症,心奇形,無脳症などが多くみられた. |
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ISSN: | 0386-5185 2186-5701 |
DOI: | 10.11224/cleftpalate1976.9.2_148 |