咽頭弁形成術後患者に対し経口挿管にて顎変形症手術を行った1例

近年,口唇裂・口蓋裂に対する治療はチームアプローチが基本となっているため,患者個人の治療計画は一貫性がある。しかし,複数施設で手術を受けた患者では必ずしも治療計画に一貫性があるとは限らず,治療に苦慮することがある。今回,われわれは咽頭弁形成手術が終了している患者の顎変形症手術を行った。患者は16歳女性で,6歳時に粘膜下口蓋裂の診断のもと他施設にて口蓋形成術,咽頭弁形成術を受けた。その後,当院の矯正歯科にて治療を開始し,16歳時に上顎裂成長のため,Le-Fort I骨切り術を施行することになった。手術に際し経鼻挿管困難であるが,気管切開は患者が希望しなかった。そこでわれわれは,2005年8月,気...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 35; no. 3; pp. 250 - 253
Main Authors 星, 秀樹, 飯島, 伸, 三浦, 廣行, 間山, 寿代, 松尾, 伸一, 杉山, 芳樹, 角田, 耕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 25.10.2010
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate.35.250

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Summary:近年,口唇裂・口蓋裂に対する治療はチームアプローチが基本となっているため,患者個人の治療計画は一貫性がある。しかし,複数施設で手術を受けた患者では必ずしも治療計画に一貫性があるとは限らず,治療に苦慮することがある。今回,われわれは咽頭弁形成手術が終了している患者の顎変形症手術を行った。患者は16歳女性で,6歳時に粘膜下口蓋裂の診断のもと他施設にて口蓋形成術,咽頭弁形成術を受けた。その後,当院の矯正歯科にて治療を開始し,16歳時に上顎裂成長のため,Le-Fort I骨切り術を施行することになった。手術に際し経鼻挿管困難であるが,気管切開は患者が希望しなかった。そこでわれわれは,2005年8月,気管切開を避けるために,開口状態のシーネを用い経口挿管を行い,Le-Fort I型骨切り術を行った。術後も咬合は安定し,術後4年現在後戻りの傾向もなく良好な結果を得ている。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate.35.250