Virginia Braun and Victoria Clarkeによる再帰的テーマティック分析を中心としたテーマティック分析の概要と分析プロセス

テーマティック分析は,質的研究方法の中でも多く使われているが,わが国ではほとんど紹介されていない。本稿の目的は,欧米で多く使われているBraunとClarkeによる再帰的テーマティック分析を中心に,その概要やデータの分析プロセスなどについて紹介することである。Braun & Clarkeは,テーマティック分析を3つのタイプに分けており,両研究者によるものは再帰的テーマティック分析と名付けている。そして,再帰的テーマティック分析とはデータ全体に含まれる意味のパターン(テーマ)を体系的に特定し,整理し,洞察するための方法であり,あらゆるリサーチクエスチョンに対処できる方法とされている。再帰...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 45; no. 2; pp. 2_145 - 2_158
Main Authors 石川, 純子, 上星, 浩子, 高橋, さつき, 松本, 光寛, 岡, 美智代, 伊藤, 美鈴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.07.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20211222158

Cover

More Information
Summary:テーマティック分析は,質的研究方法の中でも多く使われているが,わが国ではほとんど紹介されていない。本稿の目的は,欧米で多く使われているBraunとClarkeによる再帰的テーマティック分析を中心に,その概要やデータの分析プロセスなどについて紹介することである。Braun & Clarkeは,テーマティック分析を3つのタイプに分けており,両研究者によるものは再帰的テーマティック分析と名付けている。そして,再帰的テーマティック分析とはデータ全体に含まれる意味のパターン(テーマ)を体系的に特定し,整理し,洞察するための方法であり,あらゆるリサーチクエスチョンに対処できる方法とされている。再帰的テーマティック分析による分析プロセスは,6フェーズで構成されており,チェックリストも示されている。今後は,再帰的テーマティック分析が変更されることも予測されるが,本法が質的事象の解明において有用であることには変わりないといえよう。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20211222158