豊田厚生病院の糖尿病教育入院における歯科衛生士の役割

当院では以前より糖尿病患者のいわゆる糖尿病教育入院が実施されてきた。これは,医師,看護師,薬剤師,栄養士らがチームを組み,生活習慣病としての疾患の理解と,投薬や食生活などをクリニカルパスに基づいて指導ならびに治療を進めている。さらに教育のモチベーションをより高める一環として約3年前より同じく生活習慣病である歯周病を取り上げ,本プログラムに導入することとなった。これにより歯科衛生士として口腔衛生管理および指導をするようになった。今回は歯科衛生士の立場より糖尿病教育入院における口腔衛生指導の意義について検討したので報告する。2006年3月から2008年5月までに当院において糖尿病教育入院した2型糖...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 170
Main Authors 兼子, 隆次, 片桐, 泰子, 吉澤, 久美子, 澤井, 喜邦, 吉武, 美奈, 松本, 早苗, 加藤, 大也, 清水, 純子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.170.0

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Summary:当院では以前より糖尿病患者のいわゆる糖尿病教育入院が実施されてきた。これは,医師,看護師,薬剤師,栄養士らがチームを組み,生活習慣病としての疾患の理解と,投薬や食生活などをクリニカルパスに基づいて指導ならびに治療を進めている。さらに教育のモチベーションをより高める一環として約3年前より同じく生活習慣病である歯周病を取り上げ,本プログラムに導入することとなった。これにより歯科衛生士として口腔衛生管理および指導をするようになった。今回は歯科衛生士の立場より糖尿病教育入院における口腔衛生指導の意義について検討したので報告する。2006年3月から2008年5月までに当院において糖尿病教育入院した2型糖尿病患者152名を調査の対象とした。調査項目は問診(食事回数や口腔衛生の関心度など),口腔内診査と歯周病関連検査(残存歯数,歯周ポケットの深さ,プロービング時の出血歯率,プラーク付着状況など)および,口腔衛生指導後にアンケート調査(満足度や関心度)である。結果は血糖コントロールが不良な群はプラークスコア,歯周ポケットの深さが共に不良であった。実施したアンケートより,これを裏付けるように血糖コントロールが不良な群ほど,口腔衛生の関心度が低い傾向がみられた。指導を行うことによって食生活や口腔衛生への関心ある一定の割合で高めることができたと思われた。一方,反省としては食事の事情に基づいた口腔衛生指導が充分に行うことができなかった。今後は栄養士とより連携を密に指導にあたるように努めたい。
Bibliography:23-03
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.170.0