内視鏡的膀胱尿管逆流防止術 外科治療のFirst lineとして

「はじめに」膀胱尿管逆流症(VUR)は小児の尿路異常としてよく遭遇する疾患である. 原発性膀胱尿管逆流症は全人口の0.1~1%に認められ, 小児の尿路感染症の15~50%に存在するといわれている. しかし, 尿路感染症を診た場合積極的にこの疾患を疑うかが発見に大きく関与する. その中で腎瘢痕があるものは出生前ですでに10%, 8歳までに25%, 成人では94%に認められると報告されている. 逆流性腎症の自然経過をみると成人の約15%は高血圧を示し, 約30%は腎不全に移行している. 逆流性腎症の予防は早期にこの疾患の発見とその適切な治療が不可欠であることは疑う余地がない. 診療ガイドライン:V...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 182 - 185
Main Author 宮北, 英司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 15.11.2007
日本小児腎臓病学会
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ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.20.182

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Summary:「はじめに」膀胱尿管逆流症(VUR)は小児の尿路異常としてよく遭遇する疾患である. 原発性膀胱尿管逆流症は全人口の0.1~1%に認められ, 小児の尿路感染症の15~50%に存在するといわれている. しかし, 尿路感染症を診た場合積極的にこの疾患を疑うかが発見に大きく関与する. その中で腎瘢痕があるものは出生前ですでに10%, 8歳までに25%, 成人では94%に認められると報告されている. 逆流性腎症の自然経過をみると成人の約15%は高血圧を示し, 約30%は腎不全に移行している. 逆流性腎症の予防は早期にこの疾患の発見とその適切な治療が不可欠であることは疑う余地がない. 診療ガイドライン:VURの治療の最大の目的は腎盂腎炎の予防と腎障害(逆流性腎症)の予防であり, これを達成するには内科的ないし外科的治療が選択される. 原発性膀胱尿管逆流症に対する診療ガイドラインは本邦では作成されていないが, 米国泌尿器科学会(AUA)からEBMの手法に則り作成されたガイドラインがある1)(表1).
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.20.182