血漿交換療法(PE)によって改善した血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の一例

〈症例〉46歳,女性,2009年4月16日より倦怠感出現。翌日より症状悪化・胃部痛あり市販薬内服するも効果なく,2日後に近隣病院受診し,溶血性貧血,血小板減少症があり入院となる。その後TTP の疑いにてプレドニゾロン点滴,新鮮凍結血漿(FFP)4単位輸血するも改善がみられず,PE の必要性から4月19日当院入院となる。翌日よりPE を開始し11日後(PE10回目)LDH,間接型ビリルビンなど著明に低下し,黄疸や血漿廃液の潜血も徐々に改善した。血小板数も治療開始前の0.2万/μL から6.4万/μL まで上昇した。しかし,翌日の検査で血小板数が1.2万/μLと再び低下が認められたため,引き続き隔...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 257
Main Authors 倉持, 龍彦, 小串, 美由紀, 福村, 浩一, 松井, 則明, 上野, 信一, 関, 貴弘, 寺田, 紀子, 中原, 毅, 高野, 真史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.257.0

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Summary:〈症例〉46歳,女性,2009年4月16日より倦怠感出現。翌日より症状悪化・胃部痛あり市販薬内服するも効果なく,2日後に近隣病院受診し,溶血性貧血,血小板減少症があり入院となる。その後TTP の疑いにてプレドニゾロン点滴,新鮮凍結血漿(FFP)4単位輸血するも改善がみられず,PE の必要性から4月19日当院入院となる。翌日よりPE を開始し11日後(PE10回目)LDH,間接型ビリルビンなど著明に低下し,黄疸や血漿廃液の潜血も徐々に改善した。血小板数も治療開始前の0.2万/μL から6.4万/μL まで上昇した。しかし,翌日の検査で血小板数が1.2万/μLと再び低下が認められたため,引き続き隔日でPE を施行した。開始から25日後(PE17回目)に血小板数が23.5万/μL まで上昇したため治療を終了し,ステロイド投与によって経過をみた。 〈考察〉TTP の治療に際しPE を施行していく上で,保険適応による限りがあるものの,連日施行によって貧血や神経症状の改善及び血小板の上昇など著明な回復が得られたと考えられる。 〈結語〉TTP の症例に対しPE は第一選択であり,治療回数や副作用など全身状態の観察が重要であった。
Bibliography:27-23
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.257.0