当院における調剤システム構築の取り組みについて

当院は,平成21年5月に2病院が合併して開院した病床 数678床の地域医療の中核を担う総合病院である。開院時 には2病院間で異なる採用薬の整理は最小限とし,処方医 の混乱を防ぐように配慮した。従って,同成分異規格・同 成分異販売名の薬剤はそのまま採用することになり,種類 の増加に伴う薬剤の取り間違いにより一層の注意が必要に なった。今回,薬剤の取り間違い防止を中心に,当院にお ける調剤システム構築の取り組みについて報告する。 薬剤科部門システムは,電子カルテから送信される処方 オーダを受信し,処方箋・薬剤情報提供書・薬袋の順に印 刷を行う。同一薬異規格や類似薬品名などは,処方箋の薬 剤名印字色...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 370
Main Authors 今西, 忠宏, 羽田, 清, 高田, 泰尚, 前田, 正雄, 牧野, 勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.370.0

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Summary:当院は,平成21年5月に2病院が合併して開院した病床 数678床の地域医療の中核を担う総合病院である。開院時 には2病院間で異なる採用薬の整理は最小限とし,処方医 の混乱を防ぐように配慮した。従って,同成分異規格・同 成分異販売名の薬剤はそのまま採用することになり,種類 の増加に伴う薬剤の取り間違いにより一層の注意が必要に なった。今回,薬剤の取り間違い防止を中心に,当院にお ける調剤システム構築の取り組みについて報告する。 薬剤科部門システムは,電子カルテから送信される処方 オーダを受信し,処方箋・薬剤情報提供書・薬袋の順に印 刷を行う。同一薬異規格や類似薬品名などは,処方箋の薬 剤名印字色をヒートシール色に合わせるなど色分けして取 り間違いを防ぐ工夫をした。薬袋には,患者名と用法の他 に薬剤名と薬剤の写真も印刷するようにした。薬袋にこれ らの情報を印刷することで看護師が薬剤を確認する際にも 役立っている。薬剤毎に特に注意が必要なものついては, 調剤上の注意事項であれば処方箋に,使用上の注意事項で あれば薬袋に印字するようにした。 今回,処方箋や薬袋など調剤時の印字の工夫により,2 病院合併による開院に伴って懸念された薬剤の取り間違い などの調剤エラーを防ぐ環境を構築できた。薬剤師の調剤 業務や看護師の配薬前確認業務に貢献できたと同時に,外 来においては患者本人による薬の内容確認が容易になっ た。現在は採用薬の見直しも順次行っており,品目数が減 少することで更に薬剤の取り間違いなどのリスクを減少さ せることができると思われる。今後は,これらのシステム をより有効に活用し,調剤の効率化を検討していきたいと 考える。
Bibliography:P2-A117
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.370.0